メモ帳用ブログ

色々な雑記。

2021-09-01から1ヶ月間の記事一覧

宮崎監督は実は富野監督と仲がいいそうだし、富野監督の中にいるシャア的なものは、きっと宮崎監督にも心当たりがあるだろう。宮崎監督が批判するところの現代人そのものな庵野監督も現代でもっとも傷付いた男として可愛がっているくらいだし、複雑さが山盛…

宮崎監督は民主主義を支持していると言いながら、会議は無意味とか平気で言う。友人である押井監督からスターリン主義だと揶揄されている。 最近は民主主義の危機感が高まるなかで、大国主義と決別して地方コミュニティの自治性を見直そうという動きがあるそ…

ほとんどのものはいつか滅ぶんだから時期が合っていなきゃ予想の意味がない。でないとオオカミ少年が嘘をついていなかったことになる。そりゃオオカミはいつか来るだろうけどそういう問題じゃない。 銀河系はいつか滅ぶだろうし、地球はいつか滅ぶだろうし、…

宮崎駿監督は日本人が一番幸福だったのは縄文時代かもしれないということを言いのけられる。ある意味尊敬するけどそこまでは自分には無理だ。宮崎監督自身も言っているけど、エゴだとしてもやっぱり人間はしあわせになろうとして文明を発展させてきたわけで…

正直、人間がコロコロ生まれてコロコロ死ぬ苦しみから逃げて他の動物と違った存在になろうとしていることに対して自然が天罰(?)を下すんじゃないかという謎の不安感はいつもある。人間は家族の死を一大事のように悲しむし、自分もそうだけど、それはエゴ…

ちなみに同じエコノミックアニマルでも中国の場合は、原罪観も終末観もなく、天意を受けた統治者に理非決定の全権がある文化だ。だから上に強制されるまでは個人は自己規制しないが、逆に政治が突然に環境保護に舵を切って経済的自由を制限することはありえ…

コノテーション フランス語ではコノタシオン。共示、二次的意味、暗示的意味などと訳される。デノテーション(フランス語ではデノタシオン)denotation (外示、一次的意味、明示的意味)と対立して用いられる。 (中略) 文学作品(例えば小説)では、そこ…

今どき察してちゃんは人気の出る属性ではないけど、自分を察してほしい代わりに他人を察してあげたい繊細さはそこまでマイナスになる属性でもないと思う。自分を察してほしいけど他人を察したくないなら傲慢だ。でもフィクションだと変に良い子ちゃんより傲…

タッチはセリフが少ないから、そこだけ切り取れば理論上複数の読み方ができる場面は多い。ただほとんどの場合は文脈で一通りの読み方に収束するように作られている。 例えば、和也が亡くなってから程なく達也が南に話しかける場面。達也はいつも通りに南にイ…

個人的には 紅の豚>風立ちぬ>千と千尋の神隠し>名作ライン ただ風立ちぬは長期間を扱った歴史映画にありがちなダイジェスト展開であることは否めない。足りない部分は受け手の歴史知識で補うのが前提の作り。

鬼滅の刃は昔の宮崎駿監督が批判していたところの時間や空間がキャラの意識によって引き伸ばされる講談調の日本アニメ・漫画そのものだけど、自分は好き。宮崎監督と違って「アニメ」でなく「アニメーション」でなければならないというこだわりがあるわけで…

ところで西洋人の神の作り給うた現世を知りたいという変態的な探究心がなければ近代化の始まりも相対性理論の確立も成し遂げられなかったと思う。こういうのは近視眼的な合理性、目先の利益追求とは別の次元にある。

鬼滅の刃のカナエはとても良い人だったけど、しのぶがいなかったらカナヲを保護できなかったかもしれない。この世が穏やかないい人ばかりならそれに越したことはないけど、そうではないからしのぶのように正義感があって少しキツめの性格の人も必要だ。正義…

ゆうきまさみ先生の鉄腕バーディーは途中まで面白かったんだけど、なまじ宇宙捜査官のバーディーや直属の上司を常識的に良い人にしたせいでだんだんまともに話が進展しなくなってグダグダになった。宇宙テロリストのレビという野望があって能動的に行動する…

主人公がちょっと普通じゃなくても、そういう人間として明確に設定されている場合はそれも面白い。そもそも主人公が普通の人すぎると物語を動かす主体になれなくて、語り手とかワトソンポジションとか呼んだほうが妥当になる。 進撃の巨人や天気の子は主人公…

あと鬼滅の刃の言葉遣いでうまいなと思ったのは、未アニメ化部分だけど、お館様が甘露寺蜜璃に言った「皆 君の才能を恐れ 羨ましがっているだけなんだよ」の台詞。ここで「妬んでいるだけなんだよ」にしてしまうと鬼殺隊がいけ好かない選民思想の異常者集団…

時代もののエンタメだと、その時代の価値観と現代の受け手の価値観のバランスを取るのが重要だ。 鬼滅の刃だと、胡蝶姉妹がカナヲを保護する時に人買い(名目としては奉公の仲介?)に金を投げて時代なりの筋を通しているところとか好きだ。ここで男をぶん殴…

昔の日本(特にお上品な人々)は、良く言えば親しき仲にも礼儀あり、悪く言えば水臭い。お互いを思い合うあまり離れ離れになる男女とか今どき流行らないな。 余命の告知にしても、昔は末期がんは患者に告知しないのが普通、今は告知するのが当たり前と全然感…

病人が家族に心配をかけないよう顔色の悪さを隠すために化粧をするって昔の作品ではよく見たけど、元祖は何なんだろう?やっぱりサナトリウム文学なのかな。

風立ちぬの二郎が軍隊の行く末に無感動なように見えるのは、軍隊より自分の作る飛行機というのが半分、いわゆる死の受容でいう第一段階の手前なのが半分だからだと思う。 1.否認と孤立:頭では理解しようとするが、感情的にその事実を否認している段階。 …

白蟻が巨大な蟻塚を築いて自画自賛することに価値はあるのか。

インテレクチュアル・ダーク・ウェブってのもえらい厨二病だ。 この手の思想の特徴は倫理的価値の裏付けにはエビデンスを求めるのに進歩を加速させることの価値にはなんの裏付けも示さず、自明の理のように語ること。 種という枠組みは民族という枠組みと同…

なんかこう、一歩間違えると鬼滅の刃の童磨みたいな発言になりがちだから気をつけてはいるんだけど、それでも文字にすると色々とアレだ。鬼滅の刃はこれ以外にも猗窩座の先輩が死んだおかげで主人公が強くなれて良かったな発言とか、半天狗の年寄りをよって…

風立ちぬの「国を滅ぼしたんだからな」は、もっといい飛行機を作れば日本が勝てたのに、ではなく、日本の負けは最初から見えていたのに戦争協力者としてなまじ良い飛行機を作ったせいで戦争の長期化と若者の無駄死にに貢献したな、の意。どうしようもない状…

もののけ姫の「生きろ、そなたは美しい」や風立ちぬの「綺麗だよ」をルッキズムだと批判する意見があるけど少し違うと思う。もちろんエンタメは見る方も作る方もヒロインは美人なほうが嬉しいからルッキズム的な要素はある。でも両作品ともに主人公が褒めて…

映画『風立ちぬ』の主人公・堀越二郎が史実の堀越二郎と堀辰雄、宮崎監督の父親の計3人をモデルに作られたことを宮崎監督は明言している。半藤一利と宮崎駿の 腰ぬけ愛国談義 (文春ジブリ文庫)作者:一利, 半藤,駿, 宮崎文藝春秋Amazon『風立ちぬ』の二郎が宮…

右も左もそれぞれ違った理由でそれぞれ異なった部分の表現規制をするものだけど、ネットで急進派を自認してアニメ・マンガの表現規制を訴える人の半分くらいは実質的なアニメ・マンガの普及に対する反動派じゃないかと思う。英国ヴィクトリア朝のヴィクトリ…

アメリカの暗黒啓蒙主義者は中国がお好き。 暗黒啓蒙主義とはアメリカのリベラリズムに対する新反動主義思想のことで、オルタナ右翼(オルトライト)の初期の潮流であるらしい。オルタナ右翼は大統領選で有名なったQアノンの母体として知られている。ただオ…

宮崎監督は現代に限らず人間が幾度も森林を破壊してきたこと、その度に緑は戻ったが植生は変化したこと、そうして自然を改変して生きてきた人間の罪とそうやって周囲の人々の暮らしを良くしようとした人間の夢の両方に言及している。映画最後のアシタカとサ…

もののけ姫のエボシ御前は最後に「みんな、はじめからやり直しだ。ここをいい村にしよう」と言う。自分の目指した近代化の失敗を受け入れた上で、「いい村」を目指して再出発することを決めた。 それにしてもあの後の元タタラ場は大変そうだ。 まずエボシ御…