メモ帳用ブログ

色々な雑記。

2022-06-01から1ヶ月間の記事一覧

鶴見はたぶんただ利用するために部下と愛を結んでいるのではなく、フィーナとオリガを喪ってできた隙間を埋めるために嘘で試した部下の愛を自分に捧げさせたい。でも自分は部下を愛したくない。少なくともフィーナとオリガのようには愛したくない。フィーナ…

鶴見が宇佐美に出した最終問題と鯉登に出した最終問題は出題意図が同じだと思う。愛する鶴見篤四郎さまがバレバレの嘘をついていらっしゃいます、正しい対応を実演してください、ってことだ。正解は、死ぬまで嘘を真に受けたフリを続けること。 鯉登が事後処…

鶴見を利用するためと言いつつ、尾形はなんだかんだ最後に鶴見の下に戻ってきて利用された。鶴見からすると嘘で愛を試そう試験の補欠合格者ということになるのかな。 尾形が鶴見に従っていた理由と離反した理由の一部には、宇佐美が指摘したように、父上の代…

【来月7/19(火)発売!!】⁰『#ゴールデンカムイ』最終第31巻、⁰輝くカヴァーが完成しました!⁰⁰金色に差す光の中、唯一無二の相棒の笑顔と共に⁰北の大地の金塊争奪戦のフィナーレを飾るは⁰“不死身”の男、杉元佐一!!!⁰⁰黄金の未来へと進む二人を、ぜひお手元へ……

鶴見に死刑回避の裏工作を暴露されるまでの月島は、自分が有能でロシアの勉強も頑張ったから死刑を回避できたと思っていた。自分で自分の命を救えたのなら自分に誇りを持てた。でも実際はそうではなく鶴見の掌の上に過ぎなかった。しかも本当に事故で発覚し…

鶴見と月島と鯉登の関係は、鶴見とフィーナの悲劇があって、月島といご草ちゃんの悲恋があって、鯉登の鶴見に対する初恋めいた憧れへの諦めがあって、最終的に月島と鯉登がこれからの人生を寄り添うのが、泥沼から美しいものを拾い上げた感があって良い。

第31巻で鯉登と月島の加筆があるとしたら、いご草ちゃんの時と同じように自分にはそばにいる資格がないからと鯉登を突き放して鶴見の手を取ろうとする月島に、鯉登が食い下がる展開があると嬉しい。

月島は、父親を勘違いで殺していたり、鶴見が相当な裏工作をして自分の死刑を取り消させたことを知っても何もしなかったりしたのは前提として良くないんだけど、父親に対して、あんなクソ親父は殺されて当然だった、みたいな言い方を一度もしないで、「尊属…

生まれか育ちか、という点はよく議論になる。ゴールデンカムイでは尾形がその議論を背負ったキャラクターだ。 尾形を間接的に掘り下げる札幌編では、ジャック・ザ・リッパーと上ヱ地圭二というそれぞれ尾形と異なった点が共通しているキャラクターが登場した…

鯉登は登場すぐに、鶴見を慕ってるが騙されて利用されていること、父親が海軍少将であること、親子で指揮官としての心構えと反中央感情を共有していること、鶴見の暗殺した尾形の父親が鯉登の父親の親友であることなど、後々の成長展開で重要になる設定が示…

そういえば第103話『あんこう鍋』を読み直して今更気付いたんだけど、鯉登平二が中央に不信を持った理由は、親友の花沢幸次郎が無謀な作戦で生じた犠牲の責任をすべて押し付けられて自刃したことそのものではなかった。この回で鯉登音之進は月島の口を借りて…

アシㇼパが12歳くらいで金塊争奪戦に身を投じることになって、幼児の頃からアシㇼパにウイルクがゲリラ戦の技術を仕込んでいたから、ウイルクはアシㇼパが子供のうちから戦わせるつもりだったような印象になっている。ただ実際はどうだったか不明だ。鯉登の…

前読んだ本によると、江戸時代、地方の名家でも全国上流階級サロンみたいなところとの結びつきが強い家では現在の標準語に近い言葉を話していたらしい。ともに薩摩出身だけど、花沢家はそういう名家の系譜で、鯉登家は地域密着型の名家の系譜ということなの…

方々で言われていることだけど、鯉登平二が最後に船に残ったのは覚悟の自殺だろうね。生き残った部下たちと、もし叶うならば息子の罪も自分が背負うために。少なからず親友の最期も意識しつつ、自分の死が親友と違い部下たちの責任にされない方法を考えた。

事の次第がすべて明らかになった今、第103話『あんこう鍋』を読むと、平然と鯉登に嘘を吹き込んでいる鶴見と、真相を知っているのに涼しい顔で鶴見に話を合わせている月島が凶悪すぎる。

もし樺太から帰還する駆逐艦の中で、鯉登音之進少尉が鯉登平二少将に自分の誘拐事件の真相や第七師団長花沢幸次郎中将自刃の真相を暴露していたら、鯉登平二少将が鶴見篤四郎中尉を見逃せたはずがない。 音之進は鶴見を慕っているから自分の誘拐については不…

親友から「息子が名誉の戦死を遂げたので自分も名誉の自殺をします」みたいな内容の遺書(偽装工作)を受け取った時の鯉登平二の気持ちを考えると居たたまれなくなる。次男は生きているとはいえ、長男がむごい戦死をしたのに生きている自分は何なんだろうと…

第294話で鯉登の心が16歳の頃に戻り恐怖ですくんだのは、単に誘拐された時の恐怖が蘇ったからではないのかもしれない。 ここからしばらく前書いた分と重複。 月島は鶴見から嘘という愛を注がれた後、その嘘を嘘だと暴露しても自分を愛したままか試されたこと…

鶴見が最終的に鯉登親子に望んでいたものは親子ともどもの戦死だっただろう。それはもちろんクーデターの終盤でもたらされるものであり、こんな序盤も序盤で鯉登平二が戦死して、鯉登音之進からは事実上の離反を宣言される事態となったのは完全な計算違いだ…

花沢幸次郎は尾形百之助とその母のトメに対して非道だった。本妻との息子である勇作には本物の愛情を注いだことがうかがえる描写が多いが、だからこそ尾形たちに対する格差ある態度は非道そのものだったと断言できる。 花沢の「貴様も頭のおかしくなった母親…

尾形は「誰だって罪を犯しうるんだ そいつらを殺したって罪悪感なんてわかないだろ?」と言っていた。だから勇作を殺した後に罪悪感が湧き、無意識にそれを抑圧した時、勇作も実は罪を犯すと思えればその罪悪感から逃げられるという思考がやはり無意識下で働…

ジョジョの吉良吉影には、母親が子供を溺愛するタイプの精神的虐待(親が子供を所有物にするタイプの精神的虐待)をする人間で、父親はそれに見てみぬふりをしながら罪悪感を抱えていたという裏設定がある。そういうタイプの親子関係の歪みもある。

尾形理論では罪悪感があることと祝福を受けたこと(祝福=親の愛。両親の間に愛がある、または両親のどちらかでも愛してくれれば祝福を受けたことになる)はほぼイコールで結ばれている。それでも尾形が自分を欠けた人間だと思い込み、欠けた人間にふさわし…

前も書いたけど、アシㇼパの故郷で鯉登が月島に言ったことは、正義があれば罪悪感は生じないという意味でなく、正義があれば罪悪感を乗り越えられるという意味だと思う。 この漫画では、自分で犯した殺人で罪悪感が生じているのにそれと向き合い乗り越えるた…

『ゴールデンカムイ』で言う「罪悪感」ってのは、自分に理由があって相手を殺すんだから相手を殺したのは悪いことでその罪や責任を自分が背負わなくてはいけないと感じる気持ちのことだ。 『ゴールデンカムイ』は自分なりの正義と道理を持つ者が自分なりの正…

今日自分が見た幻覚は鯉登と月島でラプンツェル。魔女月島は鯉登姫を塔に囚えることで自分も塔に囚われている。尾形王子が嫌がらせで外の世界を教えたのをきっかけに、鯉登姫は尾形王子をガン無視して魔女月島の手をとって塔の外へ出ていく。ウテナなんだか…

ちょっと思案したけど、いくら誰が見るかわからないネットとはいえ、引用符のこれ これ の意味がわからない人にまで配慮する必要はないよな。

「鶴見中尉殿スゴ〜〜イ!!」が標準語なのは月島との会話の流れで出たセリフなのもある。鯉登は月島との会話の最中によく叫びだすけどほとんどが標準語だ。隠れ方言キャラが方言を使うのは本心を話している時というパブリックイメージがあるけど、鯉登の場合…

風の谷のナウシカ(原作)で一番好きなシーンはナウシカが虚無から罵倒されても飛び続ける場面。 自分の手を見るがいい その手はなんだ 見ろ!!足元を見ろ 自分の足元を 見ろ死者の中にはお前が殺した者もまじっているんだ とんでもないカマトトだよ お前はい…

尾形からしたら、アシㇼパが自分を殺すつもりで射たというのは、勇作が自分を銃で介錯してくれる幻覚を見るために必要なことだったんだろう。 勇作は尾形の見た幻覚の中でさえ尾形を愛し労わるような高潔な人間だった。でも尾形からすると、せめて幻覚という…