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あだち充ファンである青山剛昌先生の「でもあだち先生もね、ず~っと『タッチ』やってるようなもんですよ?(笑)」という衝撃発言と、あだち先生の「やってるようなもん…何をおっしゃいますか! いやもう…基本的にはみんな、続編ですよ(笑)」という開き直り!
あだち先生は物語のオチを付けるのが好き、続きは書けないようにしてる、とよく言うけども
あだち まぁ、それもたぶん、僕の芸風なんですが、作品が変わっても変わんねぇやというか、この作品じゃなきゃ描けない、みたいなこだわりがないんですね。
◆――作品は変わっても、テーマは一貫しているというか。
あだち そう。登場人物の顔もほとんど同じだし(笑)。劇団みたいなものですよ。
『Quick Japan (Vol.62)』、太田出版、2005年10月12日、100P。
とも言うので、サンデーでの対談の内容も真実のひとつ。例えば『H2』を『タッチ』の続編とするなら、同じ文脈の中では『MIX』だって『タッチ』の続編と言い切れる。というか、『MIX』だと色々な面でややこしいし細かいニュアンスを気にせざるを得ない作品でもあるからポジションを断言しにくいけど、『KATSU!』は初めて読んだ時かなり『タッチ』の疑似続編的というか疑似二世もの的な作品だと自分には感じられたんだよね。いなくなった前世代のヒーローという『KATSU!』の要素は『MIX』でも結構注目している部分。過去作との間テクスト性はあだち作品を楽しむ上での醍醐味でもあるし、『タッチ』と『MIX』の関係も気軽に楽しんだほうがお得かな。逆に過去作を知らない人にだって、TYPE-MOONのFGOがたぶん過去作を触れてない層にも相当人気が出てるのを見るに、そこから遡ったり適当に脳内補完したりと、楽しみ方は色々あるはず。
ただ、過去作のキャラの扱いは過去作のファンであるほど気になってしまうところはある。特に過去作の主人公格は何か少しでも扱いを間違えると大炎上するのを今まで何度も見てきているだけに。あだち先生自身がやる限りでは、手際を根本的に信頼しているのも含めて、どういう描写が来ようと自分は飲み込むつもりだけども。でも『MIX』の報道で過去作のキャラの出番の詮索だけを取り上げるようなのはどうしてもムカついてしまう。まるであだち先生自身が過去作のキャラの出番だけで読者の興味を釣っているように伝言ゲームされてしまうことも多いからなおさら。受け手の興味を引くようにわざと極端な書き方をするのが宣伝なんだろうがね。
あだち先生の余白が多い作風も、自分は描かなくてもわかることだからあえて描かない、つまり読者はちゃんと答えを教えてもらってて、その上で遊びの余地も残してもらってると考えてる。でも「思わせぶり」っていう、いかにも気を持たせてるだけみたいなニュアンスがある言い方をされることも多い。とりわけ『MIX』では『タッチ』との繋がりと関わる部分で揶揄されがち。自分は大好きな描き方だけど、どうしても好みは分かれるものなんだろう。
とりあえず、一部で囁かれてる達也が実は投馬の亡父っていう憶測が勘違いなのは、あだち先生と市原氏の発言を読む限りははっきりしてる。Google検索で「MIX」を入れると「mix 上杉達也 死亡」って出るほどにサジェスト汚染されていようが違うものは違う。なんだかんだ自分にとって一番重要なのはそこかもしれない。答えが出た後も憶測を続けたいファンがいるのは置いておいても、作者の意図しない誤解を公式関係者が煽るのは悪趣味だと自分は思う。
でも結局アニメはアニメだし、宣伝は宣伝だ。あとアニメだと誰か一人が代表で発表したことでも、多くの場合は会議の結果決まった内容だから、良くも悪くも個人にだけ功罪のありかを求めることはできない。
あだち充「MIX」TVアニメは読売テレビ・日本テレビ系で放送、日高のり子も出演(コメントあり) - コミックナタリー
あだち充原作によるTVアニメ「MIX」が、2019年4月から読売テレビ・日本テレビ系にて毎週土曜17時30分に放送されることが決定した。
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まず合成イラストが使われたのは、ゲッサンの2017年7月号の付録の、MIX第11巻のアナザーverブックカバー。 1枚目の画像の左端中段がそのブックカバー。2枚目の画像は同じ画像を使ったMIX第11巻の宣伝ポスター。
ちなみに上記のサイトのキャラクター紹介でのら~めんドラゴンは「元『南風』」という説明は間違い。
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合成イラストの達也の側のイラストは、週刊少年サンデー1985年36号の表紙。
- 合成イラストの投馬の側のイラストは、ゲッサン2015年7月号の表紙。