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色々な雑記。

味のある脇役顔

あだち充先生って美形ではないけど味のある男の顔を描くのは上手いし意外とパターンもある。でも女の顔は美形から外すと極端な不細工やモブ顔になりやすい。読切だと作画のコスパを無視できるからか、パターン化していない女の顔を描く場合もある。美少女・美少年の顔が記号化する傾向は手塚・石ノ森系列の絵柄の人に多い。
宮崎駿監督もベースが手塚絵だけあって女の顔はたいていナウシカ・シータみたいなパターン化した美少女か、リアル系のお婆ちゃんか。『千と千尋の神隠し』は意識していつもの顔から変えてて、千尋もリンもちゃんと味のある若い女の顔になっている。
浦沢直樹先生は元々は大友系列の絵柄だっただけあって老若男女で味のある顔を描くのが上手い。人種の描き分けもできている方だ。それでいて女の子も大友系列の中では抜群に可愛い。流石にヒロイン的美少女顔は大体『YAWARA!』の柔みたいな顔になるんだけど。
個人的に味のある顔でいうと岩明均先生の描く脇役が好きだ。若い女の脇役の不美人ぶりもいちいちグッとくる。特に『寄生獣』の「田舎で健康的に育ったメス」は、言葉の表現もおかしくてツボに入った。最近だと『ヒストリエ』の干し肉をもらって大喜びしている侍女が良かった。美女だけどちょっと野暮ったいかな、くらいを狙うのも上手い。その分美少女顔(『七夕の国』の幸子や『ヒストリエ』のサテュラ)は単独で売り物にできるほどの華はないのかも。でも周りが周りだからストーリーの流れに乗って出てくると、掃き溜めにツル状態でものすごく可憐に見える。岩明先生の絵柄は系列で言うと一応簡略化された劇画系なのかな。