メモ帳用ブログ

色々な雑記。

推理もののバランス

推理ものの凝った仕掛けとリアリティのバランスは難しい。
初期の金田一はタイトルのとおりに金田一耕助風。凝ったトリックを使いつつも、ホラー的な演出や重みのある人間ドラマを加えることでリアリティも出せていたように思う。推理漫画の火付け役だけあって本当に面白かった。
後発のコナンは明確な路線の違いを打ち出した。商業的に金田一を上回る大ヒット。リアリティはトリックの実現性・動機ともに度外視。シャーロック・ホームズ風なアイディアの面白さとアクションを重視した作風。初っ端から無茶なトリックだし主人公は縮むし黒の組織とか出てくるし。凶悪事件が起きまくりでもリアリティが崩れない。
個人的には最盛期は金田一のほうが好きだけど、アベレージの楽しさはコナンのほうに軍配が上がる。
金田一は高遠が頻繁に登場するようになってからリアリティのバランスが変わった。高遠が初登場したエピソードはとても面白かったし、だからそこ準レギュラーキャラになったんだとは思うけど。殺人プロデューサーみたいなのって途中から出てくると作品としての生々しさがなくなる。下手に高遠との因縁を強調すると個々の事件の犯人が添え物じみてくるし。今の金田一を熱心に追っている層に高遠ファンが多いらしいものそりゃそうだろうな。一旦連載を終了して、明らかにコナン層の獲得を狙った探偵学園Qを連載した影響もあるのかもしれない。


アニメのイドのリアリティはいい意味でコナン以下。ヘッドショット食らったけど元から頭に空いていた穴を通過したおかげで無傷!なんてシーンもある。連続殺人鬼メイカーが黒幕として存在しつつも、殺人鬼本人が自分の衝動に基づいて行動しているのも良かった。個々の事件が茶番にならない。その分教唆犯でしかない黒幕に対するヘイトがあまり高まらず、対決が盛り上がらなかった感があるのは難しいところ。だって主犯で実行犯の対マンに「やったぜ!」した時点でやったぜ!感が出過ぎて満足しちゃった。