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日月同錯のネタバレ

屍者の13月というか日月同錯のネタバレ
このエピソードってセカンドエピソードなのにいきなり突き落とすしその上長い。暗い話って最初に突き落として這い上がるか、ダイジェストでいいから主人公が活躍を重ねてぬか喜びしたところを突き落とすのが黄金パターン。マグメルのセカンドエピソードだってそこまで好きではないけど途中ヨウがまあまあ活躍してたし大して長くなかった。
日月同錯って屍者の13月として今配信されてるところまではまあまあ楽しんでた。第8話で伝承がデマだと確信した小小が村人全員の虐殺を始めて、光が村人を助けるのを迷ったところはガッカリしたけど、まだ話の決着次第だと思ってた。自分は両親を生贄にした首謀者の一団が明示されるものだと思ってたけど、小小は伝承がデマだと確認できたら村人に事実関係を問いただしたりせずに虐殺を始めたからそっちはどうでも良かったみたいだ。第9話で光が自分に罪の判定をする資格はないから村人を救おうと思ったのは、上から目線が気になったけどまあいい。小小が老人や女性も含めて大人の村人を皆殺しにしちゃったのは嫌だった。無闇な犯人探しで責任をわかりやすい相手に押し付けるのは好きじゃないけど、皆殺し展開になるくらいなら戦犯を吊るし上げて終わりにしたほうがマシだった。それ以上に嫌だったのはこの後。建物の中にいた子供たちが生き残っていて、小小が正気になって子どもたちとの麗しい思い出をお涙頂戴チックにたっぷり振り返ったあと、怒り狂った子供たちが刃物を持って小小に突っ込んできて、小小がキラキラした顔で満足げにその刃物でグサグサにされた場面。子供たちを小小を浄化するためのダシにするなよ。赤ん坊、子供、若者、大人ってグラデーションになってなくて、みんな同じ年頃の子供、そして大人って図式的な構成になっているのも嫌だ。
このエピソードで一番可哀相なのは懐いていたお姉ちゃんに突然両親も含めて村の大人を皆殺しにされて、挙げ句そのお姉ちゃんを殺しちゃって、死体の山の中に置いていかれた子供たちだ。助けが来るとしても当分先だろう。でも小小は子供たちの親を殺した点は悲しんでいたけど、自分が生まれたときから一緒に暮らしていたご近所さんを殺した点は全く後悔していなかったから、一度憎んだ相手ならそれまでの思い出とか全てなかったことになって罪悪感の心配とか全くいらないものなのかな。
第10話で光たちは死にかけた小小を助けようとする。小小は助からないんだけど、光たちが連れ出したことで村の外が見れて安らかに死ねる。で、あの世とこの世の境っぽい場所で両親の霊と再会して微笑んで消えていく。第4話で光が言っていた両親に会いたいならそんな顔をしてちゃだめってのを回収してるんだけど、数百人の虐殺を経て、これできれいにオチがついたっぽい雰囲気になるのは気持ちがついていかなかった。
光たちが小小のことばかり可哀相がって村に置き去りにされた子供たちのケアは二の次なのは主人公としてどうかな。子どもたちには助けが来るから安心してとは言わないのに、小小には子どもたちは助けるから安心してと言うのも優先順位が気になる。
小小は可哀相だし村人を皆殺しにしたくなる気持ちもわかるよ。三眼だって、人間同士の対立を煽って村を壊滅させて、再び自刃させられながらも後悔しなかった面白い敵役と言えなくもない。でも主人公の光が小小ばかりに肩入れして、食人の実行犯である三眼を責めないで、村人を個々人として見ないで(見ようとした途端に皆殺しにされる)見下すから、エピソードのバランスがおかしくなっている。最初に可哀相だと思って肩入れしたのが小小だからそのまま引っ込みがつかなくなった、ってわけでもないんだろうけど。
小小を殺せずに葛藤する展開をやるなら、村人の醜さを強調するよりも小小が三眼の口車に乗せられてしまうのを止められなかった不甲斐なさに重点を置いて欲しかったかな。村人皆殺し展開をやるなら対立を煽った三眼はちゃんとヒールとして描いた方がエピソードが締まったと思う。後で光が三眼は邪悪だったと認識するんだけど、話数としては結構後になる。三眼の描写をそのままにするならせめて主犯の村長と側近とかの犯人を吊るし上げる展開にするとか。でもテーマがずれてくるな。もしくは泣く泣く小小を殺すのを光にするとか。でもやっぱりテーマがずれるか。