メモ帳用ブログ

色々な雑記。

ネタバレ補足

下のネタバレの補足
下で色々書いたけど演出はどのシーンもうまいと思う。気持ちの整理ができたから読み返す時は今より素直に感動できるかも。
次回の冒頭にあたる
三眼(能力と記憶は渡したが、俺の意識があると能力の主人は俺だけ。どうすればいいかわかってるよな?)→白小小「あなた、自害しなさい」→三眼、満足げに自害
の流れは好きだ。三眼の敵ながら美学のある感じはいいし、白小小の自分自身で敵を討つと決意したところもいい。これで三眼が屍者が人を食うのは自然の摂理、責められるのは酷い、を連呼するみみっちいキャラじゃなければなあ。悪事を働くキャラは堂々としているのが格好いいのに。人間の醜さに重点を置くパニックホラーをやりたい+真相を明かすために知能のある人食いモンスターが必要ってのが食い合わせが悪いのか。
三眼の持っている白大の記憶も受け継いだ白小小は、千年の借りを返してもらうべきなのはうちの一族の方だった、村人は皆殺し、って思考になっちゃう。なっちゃうことは仕方ないんだけど、そのまま村人がほぼ皆殺しになる展開には引いた。せめて、隣村に嫁いだ妹が姓を継いでなぜかその子孫が村に戻ってきたってノイズがない方が白小小の気持ちに乗れたかもしれない。でもブチ切れ白小小と感情移入をしてしまう未熟な光と高みの見物をする姜明子+本として読む2020年の少年という構造だと思えば、そこまで白小小に感情移入する話じゃないことになるからこれでいいのかも。漫然と露悪パニックホラーを見て面白いかは別の話として、
生贄事件の真相が明かされて白小小が村長1人を殺したとしても、仲間入り展開は個人的に全然オッケーだった。一味を数十人殺して敵か味方かポジションになるのもアリだった。
白小小は三眼の記憶を継承したからたぶん村長?が三眼に交渉しに来たことは知ってる。だけどその辺全スルーで村人皆殺しのことしか考えない。手当たり次第に殺すから村長が死ぬのが後の方になるくらい見境なし。たぶん村長?が三眼と交渉したときに話した内容とかは明かされないままだし、直接交渉しに行った以外の人間がどれだけ事情を聞かされていたのかは三眼も小小も知らないままのはず。三眼は自分が食ってたのが白家の人間って知らないくらいだし。たぶん村長一家が独断で白家は生贄にするから自分の家族には手を出さないでくれと三眼と交渉して、村人には白家を生贄にすればこの村が三眼に守ってもらえると適当言ったんだとは思うけど、よくわからない。事前に言っても300人以上の村じゃ人食いの化物に囲われることへの合意形成ができるわけないし、突然村に現れた法屍者が生贄を要求したっていう小小も信じていた噂を独断の交渉後に流したのかな。よくわからない。隣村では1人が逃げようとして一家丸ごと三眼に殺されたくらいだし、不満がある村人がいても何も言えないまま生活するしかないだろう。不満を言ったら自分の家が次の生贄にされかねない。小小からすれば見てみぬふりをした人間だってみんな殺したいのはわかるけど。
姜明子は村人が皆殺しにされていく時は何もしなかった。光が死にかけた小小を救おうとする時も何もしなかったから、まあ一貫性はある。第13話の西暦500年だと女に化けて森の中で自分を襲おうとしてくる兵士たちを引っ掛けて楽しそうだったくらいだし。そして殺す。敵キャラだったら好きだったかも。
こういう生死が深刻な話になるんなら、西暦525年で白大の友達の死体の尻に鎌が刺さったお下劣ギャグとか死を茶化してて嫌かも。ドライにポコポコ死んでお下劣ギャグバンバンのブラックな作品なら作風としてありだけど、この作品どうもお涙ヒューマニズムっぽいこともしたいみたいなんだよな。それいうと白大が薬草を取りに行くのに半年かかったとか、探してる時間も多いだろうけど相当遠出したことになるよな。まともに歩けば一国を横断できるかも。村人が豹変して白大の家族を殺すために長期間家を開ける必要があるっていうご都合のためなんだけど。妹も隣村に嫁いで子孫が戻ったり、千年の借りって言葉先行で白家が黒山村に縛られてる実際の印象が薄い。最後の小小が村から解放されて朝日を見るシーンも狙いはわかるけどいまいち乗れなかった。
たぶんこのエピソードは姜明子の力を好きに借りれると勘違いして自分が他人の善悪を裁けると思い上がった光を戒めるための話に位置づけられているはず。第2話で真理に触れたらこの世のことで心が動かなくなるかもとか言ってたけど、ちゃんと人情派的な道士で居続けるための話でもあるはず。道士や仙人って姜明子方向のイカレ系の伝承があるやつも多いし。でも作品やキャラに愛着が湧く前から露悪展開すぎる。
西暦1906年だと復讐の連鎖はどちらか一方が全滅するまで止まらない、白小小は暗い顔をしていたけど村の大人を皆殺しにして村の外に連れ出してもらえて笑顔になれた、村の子供たちも白小小を自分の手で殺せたから殺せなかったよりは幸せ、白小小の両親を含む屍者に食われた人や村の大人たちや白小小の死は仕方のない犠牲、これが西暦1906年の現実って展開で、このエピソードの最後には未来に希望を見る感じで西暦2020年の現状が描写される。あくまで西暦1906年はメタ視線で見たほうがいいというか、悲劇のエピソードゼロ的に見たほうがいいのかも。西暦2020年だと西暦1906年の出来事をメタ的に踏まえて円満に解決する話もある。
ただ、西暦525年+西暦1906年パートを読んでて疲弊したから、西暦2020年でハッピーでわかりやすい話がずっと続いたらいいのにと思ってたら、普通に3つの時系列の話が絡み合ってますますややこしくなって読んでて疲れる。メインは西暦1906年でいいからごちゃごちゃが低減されるとありがたい。一応このエピソードほど露悪的な話は今のところない。