お手軽娯楽

ウェブ小説やウェブ漫画のお手軽娯楽っぷりはよく批判されるけど、昔からオッサン向け漫画や架空戦記とかの娯楽小説、レディースコミック、ハーレクインとか、そういう需要を満たすコンテンツは存在し続けていた。むしろ割り切って楽しんで欲望を発散できるなら、そういうコンテンツは人生に有用なものだ。
ウェブ小説のお手軽文明マウントだって、相手はたいてい現実感ゼロのファンタジー種族なんだから、悪趣味な娯楽と割り切れるんならそういうもんだろう。社会の不備が剥き出しにした人間の醜さを恵まれた「文明」のポジションから笑いものにしたり。かといって自分は奴隷のいいご主人様を気取って野蛮さの恩恵を享受したり。
ただ本気で文明マウントを正しいこととして扱うような作品は自分のイデオロギー的に嫌いだな。嫌いを主張しすぎるのもマナー的に良くないからここで嫌いって書き捨てるだけだけど。本気で露骨に文明マウントを正しいこととして扱う作品は社会進化論的なイデオロギーの作品といえるのかも。イデオロギーは思想であって事実ではない。でも認識の枠組みがないと何も認識できない。
自分は寛容主義っぽいものに憧れてるけど、現実に寛容なのかといわれれば全然実践できていない。きちんと寛容主義をやる場合でも寛容のパラドックスとか色々あるから、自分のような中途半端な人間には難しいことばかりだ。