メモ帳用ブログ

色々な雑記。

最近の進撃の巨人は酷い展開だけどちゃんとした酷い展開だから結構好きだ。もしエレンの望みが叶ったとしても、それに反対する側にも理があったと示されている。エグめだけど少年漫画らしくただのゲスにはならない範疇だ。
自分を正義だと信じる人間が悪と信じる人間相手に侵略を仕掛ける、それを自称正義の側から一方的に書くと現実の十字軍めいてしまって独善が鼻につきやすい。だからエンタメバトルでは敵が先に攻めてきて、主人公たちの攻撃はあくまで民間人の被害を防ぐためにやむを得ない範囲にするのが安牌の描写だ。民間人を巻き込む敵を民間人を巻き込まないように倒す。さらに敵は悪の組織やマフィアに自分から加わった人間だったり、極端な場合は魔物だったりする。
後にスターダストクルセイダースという副題をつけられるジョジョ三部では、敵の首領は吸血鬼だけども道中で戦う敵はほとんどが人間だ。だからスカッと楽しめる展開からずれないように多くの工夫がしてある。
まず主人公の条太郎は敵の首領であるDIOを倒そうという仲間からの誘いを一度は断る。この時は一族の因縁と大義に基づく勧誘だった。しかし自分の母親がDIOの影響で倒れ、命を救うためにはDIOを倒すしかないと明らかになり、ようやく旅に出る決意をする。道中で戦う相手も、DIOを守るために襲ってくる敵をあくまで返り討ちにする場合がほとんどだ。仲間たちもあくまで大義よりも個人の信念に基づいて敵と戦う。それでいて主人公たちは黄金の精神を持っているため、その行動は結果的に正義に結びつく。
ただ敵が道中で少人数ずつ襲ってくる展開は今だと定番になり過ぎて新鮮味はない。今そのパターンを使うならあくまでそれをベースに独自の魅力を上乗せする必要が出てくると思う。