重要度の高いポイント②

三眼が生贄にされた白小小を傀儡を通じて食べようとし、撃退された直後のセリフ。

「恨みは必ず晴らしてやる なぜ人を喰らうのが悪い?」

「人だって命を喰らうじゃないか」

「屍者だけが悪者なんてひどい話だ」

「まったく…」

[第3話]屍者の13月 - 第年秒 | 少年ジャンプ+

「咱可是有仇必报的,吃你个人咋啦?」

「人也会吃人呢,真真是。」

「欺尸太甚!」

「啧啧,」

《日月同错》第三回 千年之谣 下-在线漫画-腾讯动漫官方网站

「オレは仇には必ず報いる、 お前を食べて何が悪い?」

「人だって人を食うぞ、まったく。」

「屍者いじめが酷すぎる!」

「チェッ、」

 

黒山村のエピソードで重要な部分、なんだけど、主人公たちや女の人を食べようとした直後に大量の人骨に囲まれて初顔見せしながらの台詞がこれだから小悪党感が強い。あえて逆に行くパターンだけど、普通は人間にコテンパンやられて死ぬ化物の台詞だ。ついでに個人的には三眼は責任逃れをするキャラという印象を持った。人間を犠牲にする強者なのに、どっちもどっち、いじめだ、みたいなことを自分からいうキャラの印象は悪い。あの村人でさえどっちもどっちと言ったりはしなかった。でも日本語版だと細かい部分で三眼の嫌味感が増えていたけど、中文版をよく読めばただ単に人間性に欠けるだけの存在とわかった。あと怠け者だし(第7話)。

三眼は最後の最後でも屍者が人間を食べることは摂理(天经地义)だと思っていて、その点は反省しない。ただ三眼は借りは必ず返すというモットーを機械的に守るキャラだったから、恩人の子孫であり借りを作ってしまった白小小に自害の命令をするよう誘導する。最初に引用した台詞を言ってから、村人と光の口論で白小小が白大の子孫であることを知って、最後に自害するまで一日足らずのスピード展開。

 

 ④

「もしお前らのせいで大屍仙さまの信頼を損なうようなことがあれば この村はあっという間に乱世に飲み込まれてしまうだろう」

[第5話]屍者の13月 - 第年秒 | 少年ジャンプ+

「如若因为尔等,黑山村失去上尸大人信任,即便上尸大人不出手清除我等,黑山村也无法在此乱世安逸存活啊!」

《日月同错》第五回 千年一会 下-在线漫画-腾讯动漫官方网站

「もしお前らのせいで、大屍仙さまの信頼を失えば、たとえ大屍仙さまの手で我らが一掃されずとも、黒山村がこの乱世で安泰に生き残る術などない!」

この村長の台詞のとおり、三眼は手を出さずとも、三眼に力を授かった白小小の手によって黒山村は滅びる。乱世らしい無法の弱肉強食の連鎖。黒山村は生贄を捧げることで三眼の後ろ盾を得て白家を犠牲にしていたけど、白家が三眼の恩人の子孫と判明したことで、白小小が三眼の後ろ盾を得て村の大人たちに復讐する。先祖からの因縁に囚われた白小小が無力な村の子どもの復讐を受け入れることで新たな時代がやってくる、ということなんだけど、子どもを殺人者にするのはやっぱり後味が悪い。罪に巻き込んでしまった感が強くて、これで終わり感が薄い。両親の復讐をした白小小や、三眼に家族の復讐を頼んだ白大の子孫が不幸になるなら、子どもたちも不幸になってしまいそうな感じがどうしてもする。話の流れから言えば子どもたちは未来を託される存在っぽいのに。

三眼にしろ白小小にしろ、冷静な判断ができない状況の相手を罪に巻き込んでおいて、未来を託したような気になっているところは苦手だな。あえて子どもたちと白小小の差を考えるなら村の因縁に囚われているかどうかってところなのか。

黒山村は滅んで、似たようなことをした他の2村は滅びなかった。別に黒山村が特別悪質というわけでなく、白大の子孫を食べないという、三眼以外は知らないルールをたまたま破ったかどうかの違いだ。正義の差でなく運命の差だ。

第3話によれば黒山村は徐州府の近く。それなのに丸一年行政の介入がなかったのは乱世のせいなのか。外部との連絡とか行き来とか諸々どうなっていたんだろう。第6話を見る限りでは、村長が三眼に接触したのは自分の家族を三眼に食べられないようにするためという面が強い。村長が村は三眼に守られてると言ったのはある程度は本当だろうけど、ある程度以上は村人に対する方便でもあるはず。村の近くも第10話で見た景色もまるで荒れている気配がないからどの程度乱世なのかがよくわからない。徐州府周辺は無法状態なのかそうでもないのか。村を守るという言い分はどの程度本気でどの程度方便なのか。

なにせ清朝末の辛亥革命直前の時期だから、清朝の庇護を離れて独自の武装勢力のもとへ下ることがないとはいえない。実際そうしてできた勢力が革命の端緒となった一方で、軍閥が革命の完成を阻んだという歴史がある。このあたりは本場中国のエンタメだとどう評価するのがお約束なのか。

屍者とか法師とか普通の軍人より強そうな存在がゴロゴロしているとパワーバランスが難しい。義和団の乱じゃないけど法術で夷狄が打ち倒せるなら打ち倒せばいいのにって思うし、打ち倒したら近代以降の歴史が大きく変わってしまう。武侠もので清朝末を扱う頻度が低いのもパワーバランスが難しいからだな。下手に歴史や一般人の社会に手を出さない作品ならスルーできるのに。近代以降を扱う能力ものだと、能力者はごく僅かだったり秘匿されていたり、もしくは能力者が生まれたり存在が明らかになったのはごく最近だったりする場合が多い。

結局一般的な法屍者の強さや法師の強さってどんなもんなんだろう。三眼のその中での位置付けとか。