メモ帳用ブログ

色々な雑記。


漫画感想とネタバレについて話題になっているのでメモ。
今回の提言は感想を書くのは構わないが悪質なネタバレは避けてほしいというものだ。確かに悪質なネタバレはマナー違反だし、画像・文章を問わず不適切な引用は著作権の侵害に当たる。ただ、どこからどこまでが適切かという問題は実際に裁判を行わないと明瞭にならない部分が大きい。とりあえず、最初から裁判にならないよう、権利者の意向をなるべく尊重するのが無難ではある。万一直接警告を受けたら素直に従ったほうがいい。
第年秒先生の場合、感想をたくさん書いてもらいたいとよく微博に投稿している。スクリーンショットを多用した考察にも微博上で好意的な反応をしている。ただし、日本で公衆送信権を持っているのはおそらく集英社なので、第年秒先生の意向だけで全てが決まるわけではない。


法的な部分では
●いわゆる無許可の二次創作(二次的著作物である場合もそうでない場合もある)は、著作権のうちの翻案権の侵害に当たる。しかし二次創作は著作権非親告罪化の対象ではないので、権利者以外から訴えられる恐れはない。
評論そのものはその評論を創作した人間の著作物であり、二次的著作物でもない。ただし不必要なまでに詳細なあらすじやセリフの抜粋など、不当な引用が含まれれば著作権の侵害になる。法律上は感想と評論は区別されず同じ扱いを受ける。
●短文よりも長文のほうが著作物として認められやすい傾向にある。ただし短文でも創作性があると判断されれば著作物として認められる。

●公正な慣行に合致した理由と正当な方法に基づいた引用は、あらゆる種類の著作物に対して無断で行うことができる。正当性が認められなければ著作権侵害となる。
文章の場合は正当な引用に関する議論が進んでいるが、漫画などの画像の引用については議論の余地が大きい。

https://www.jfpi.or.jp/files/user/pdf/data/Chizai_no4.pdf
ゴーマニズム宣言事件の判決では、『脱ゴーマニズム宣言』における『新ゴーマニズム宣言』の画像の引用は正当なものと認められた。
ただし、①漫画に登場した実在の人物の目に黒線を配置する、②コマの一部に丸・矢印・文章などの補足説明を加える、③コマの配置位置を変更する、の3つの改変のうち、③のみが同一性保持権を侵害していると判断された。現在はコマの配置位置を原作準拠にして再版されたものが流通している。