メモ帳用ブログ

色々な雑記。

黒山村のパートは筋書きのために流れが無理矢理になっている部分が多くてどこからかどこまでをまともに捉えていいのかよくわからない。
三眼が村人全員の命を人質にして生贄を要求してきたと村長が嘘をついたことには意味がある。そうしないとヤケになった生贄が村長に最後っ屁をかまそうとするかもしれないし、閉鎖状態で他の村人の不満が溜まっていった時に責任者の村長が槍玉に挙げられて吊るしあげられてしまうことが十分に予想できる。白小小の父親を説得するときに家族の安全を保証すると嘘をついたのも生贄にしやすくするという意味がある。生贄は捧げる時まで生きていなければ意味がないので、村に不満を持たれて生贄にされるくらいなら自殺して村に迷惑をかけてやると思われてしまえばお終いだ。どちらも畏怖や憎悪を三眼に集中させて、自分が村を円滑に運営できるようにするための嘘だ。
一方で村長と高皓光との口論では村長と高皓光・黄二果・白小小の4人の関係だけを見るなら村長に嘘をつく意味がない。むしろ陳腐にはなるけど、縛り上げて後は生贄に差し出すだけの3人に対して、冥土の土産に真実を教えてやろうと今までの嘘を暴露しても良かったくらいだ。口論の時に言った内容が、解釈はともかく事実まで嘘だったら、あそこまで必死に正当性を主張する意味がない。解釈なら自分をごまかせても事実では自分を誤魔化せない。
実際、村長の発言内容とその後に三眼が暴露した事実は一致する部分が多い。少なくとも、3つの村が三眼に生贄を捧げていて生きて逃げられた者は誰もいないという部分は嘘ではないだろう。
ただし村を守るために必要なことだという解釈は自己正当化の度合いが強い。実際の動機は三眼が語ったとおりに自分の家族の安全を守るために生贄を差し出すと約束したというものだったはずだ。村を守るために、というのは生贄を差し出すために後ろ盾として村全体を巻き込む必要があったことへの言い訳だろう。村長は実際の経緯を三眼に暴露された直後に動揺している。もちろん話題の中心になっていた白小小に嘘がバレて気まずかったためだろうけど、村人がみんな真実を知っていたなら高皓光との口論の時点で嘘をつく必要はなかった。家族(だけ)を守るため、という部分は他の村人に対しても内緒にし、自分自身も目をそらそうとしていた事実のようだ。多くの村人は村を守るためには三眼へ白家を生贄として捧げるしかないという大義名分を信じていた可能性が高いし、村長が自分から三眼に接触したことを知っていた村人がどれだけいたのかもわからない。それは高皓光の無実の村人もいるかもしれないという疑問と一致する。
ただし先祖の借りを押し付けられ、それが先に手を出してきたのは実は村人の方だったと知った白小小は、現在の罪の軽重とは無関係に、自分に誤った先祖の借りを押し付けてきた人間全員へ本当の先祖の借りを押し付け返して殺してしまった。
高皓光は先祖の因縁なんてろくでもないものと知っていたはずなのに白小小に気圧されてしまった。