メモ帳用ブログ

色々な雑記。

黒山村は凄まじく不自然な村だけど、あくまでこれはメタ的な不自然さで、作中で陰謀により作られた村というわけではない。強いていうなら天と運命の陰謀により作られた村とは呼べるかもしれないが、人為的な陰謀は千年ほど存在しなかった。また白家はそこで千年以上存続した家で、白小小も父親も三眼の告発を聞くまでは裏で自分たちが見捨てられたことに気が付いていなかった。少なくとも表立って不自然な点はなかった。

三眼は1、2年前に傷が癒えたと自ら語っている。三眼は傷が癒えて動き出してまもなくは通りがかりの馬賊や村人を捕食していた。しかし周囲のいくつかの村の人間が屍者の存在に気づいた。彼らは他人を生贄を捧げることで自分の家族を守ろうとした。

黒山村で三眼の生贄にされた人間は、未遂を含めても白小小の両親と白小小自身の3人。それ以外の人間は黒山村以外の2つの村から生贄に捧げられた人間。

三眼に生贄を捧げる約束をした村の人間は三眼の支配区域から逃げることができない。逃げようとするとすぐに見つかって家族全員が殺さられると白小小の父親は聞かされた。少なくともこの1年で黒山村から生きて逃げられた人間はいないという言葉を白小小は疑っていない。白小小が高皓光に救出されそうになった時、三眼は高皓光たちを連れてこなければ村人を皆殺しにすると白小小を脅迫した。西暦525年に村から離れた白大は三眼に殺されそうになり、同行していた友人の阿柴は殺された。

三眼の借元真目には千里眼の機能がある。傀儡に借元真目を出現させるとその間は聴覚なども共有できる。三眼は自分の生贄は陥れられて無理やり連れてこられた人間であることは知っていた。しかし生贄の中に白家の人間が含まれていることには気が付いていなかった。これは主に借元真目で村を監視していて聴覚的な情報が不足していたせいかもしれない。

借元真目を授かった白小小は村の大人たちを操って同士討ちさせた。村人を皆殺しにして復讐を果たしたと笑っていたが、建物に隠されていた子どもたちが出てきて叫びだしたことで我に返った。生贄の提供に失敗して三眼の機嫌を損ねれば村が全滅させられるという一大事なので、大人たちは全員が村の広場に集合していたらしい(足腰の立たない老人や病人は存在しない?)。第6話ではこの間は子どもたちが1つの建物の中に匿われていたことが描写されている(この村の子供は全員が5~8歳程度?乳児や若者は存在しない?)。

白小小は最期に先祖の罪を理由に子孫を罰することは間違っていると思えたはず。白小小は村の大人たちを罰するにしてもくだらない理由で両親を迫害した点を追及するべきだった。しかし白小小が三眼から借元真目を授かって復讐の力を得ることができたのは、まさにそのくだらない先祖の因縁が理由だった。この矛盾によって白小小は亡くなった。

白小小が村の子供たちを誰一人殺さず逆に家族の敵として殺されることを受け入れた理由とは、村の子供たちが誰一人として村の大人たちと血が繋がっていないといういくらなんでも不自然すぎる上に全く描写されていない背景があるためではない。もしそんな理由なら、村の子供たちが何らかの理由によって全滅したまたは20年程度一切生まれなくなった上に、何らかの理由によって村の大人たちが血の繋がらない子どもたちをどこからか大量に引き取り、養子の全員が養父母と実の家族同然の絆を育み、それを白小小が特にコメントすべきでもない普通の事態として受け入れる、という謎のイベントが三眼に村が支配される1年前以前に起きていたことになる。