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明治維新の四民平等は下層の農民も上層の武士になれるようになったって意味じゃなく、元農民も元武士も平等だというスローガンだ。少なくとも建て前としてはそうだ。華族だの士族だのの身分についてはとりあえず置いておく。ちなみにこの四民は儒教思想による身分の区別である士農工商に基づいている。士農工商は身分の区別を表していても上下を表しているわけではないというのが現代の通説だ。
でも近代的平等はたいてい国民皆兵の成立と連動していたものだから話は複雑になる。イギリス、アメリカに続いてフランスで起きた市民革命は、王の処刑を伴う過激なのものとなった。王政を取っていたヨーロッパ諸国との関係は悪化。フランスはそれまでの傭兵や貴族に代わる国民軍を形成して他国に対抗する。国の主権は王でなく国民にあるからすべての(男性)国民は兵役の義務を負うというのが当時の徴兵制の大義名分だ。傭兵や貴族を主体とする旧体制的な軍隊を、フランス国民軍は士気の上でも数の上でも圧倒した。以後、多くの国で平等と国民皆兵が制度として取り入れられていく。
現代の欧米諸国はほとんどの国で徴兵制を採用していない。ただ今でも徴兵制を採っている国や地域はある。現在の日本は戦争を放棄している。
日本は、平安時代末に武家政権の誕生→鎌倉時代武家政権の確立→戦国時代末に刀狩による兵農分離→江戸時代に完全な封建制の完成→明治維新後の国民皆兵第二次世界大戦後の戦争放棄と社会体制が変化する。建て前やら実態やらはいつの時代でもゴチャゴチャしているけど変化は確かにある。