メモ帳用ブログ

色々な雑記。

ぶっちゃけ漫画のキャラとしては、大義だけのキャラより大義名分と私欲が表裏一体になっているキャラのほうがわかりやすい。仲間を守ることを言い訳にして、悪認定した人間を生贄にしながら、実のところ家族を守ることしか考えていなかった黒山村の村長や趙炎とか。
三真同月令に選ばれた3人のうち、姜明子は屍者を根絶したいし宿命に終止符を打ちたい、段星煉は三真法門のみんなや特に姉弟子が大切だっていう強い動機がある。だから手段を選ばなかったり、他人に冷酷だったりしても、他の部分で魅力があればそういうキャラで済む。一方、高皓光の動機はどんなもんか。とりあえず、三真同月令に選ばれたことははじめ関心がなかったが受け入れるようになった。第1話で師匠を助ける時に三真同月令の力と姜明子の力を借りたことで宿命を受け入れる気になったようだ。黒山村と三川には姜明子の思惑で連れてこられ、屍者に立ち向かうよう仕向けられた。どうも高皓光には個人的な強い動機や三真同月令に選ばれし者として将来に抱いているビジョンがないようだ。子供の頃に憧れた英雄のように自分も立派になりたいとか、強い相手と戦うのは楽しいとか、そういう動機すらない。海外留学して得た知識で強大な農場を作りたいという夢はあるが、求法者や屍者や三真同月令とは無関係だ。今のところ高皓光は私的な動機が薄く正義で戦うキャラということになる。本人も「人としての立場」「人としての資格」のような言葉をよく使う。でも黒山村では正義感が裏目に出てしまった。
人道や人倫とは何か、清末という激動の時代でそれらはどう変化するのか、みたいな部分もテーマの一部だろう。ただ、難しいテーマをうまく扱っているかというとなんとも言えない。