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色々な雑記。

黒山村の伝承は中文版だと白大が自分の血を患者に飲ませたら患者が全滅してしまったという意味不明の内容になっている。もし白大の正体は屍者だったのですと続くなら話はわかる。でも白大は実は医学をちゃんと学んでいなかったと続くので、白大を人間として扱っていることになっている。
日本語版だと白大が屍者の血を患者に飲ませたら患者が全滅したという内容になっている。必死に効果のあるものを試して起きた悲劇のようにも考えられるが(トリカブトや蛇など毒を薬として使う事例は多い)、白大の悪意も疑えなくもない。でも悪意があるとするなら白大に薬を渡したという仙人を疑ったほうが筋が通る内容に思える。白大が薬の正体を予め知っていたかすら定かではないし、そもそも伝承を作った人間はなぜ薬の正体が屍者の血だと知っていたのかという疑問が残る。
いずれにしろ南北朝時代に正体不明の奇病が流行って、治療を試みたが患者が全滅した、ということは悪行でもなんでもない。一方で当時の価値観からしても、家族の敵討ちのために魔物と化して百人近くを殺害したとなったら重大な問題だろう。親族への風当たりが強くなることは避けられない。もし再度の復讐を警戒して親族に村の生き残りが手を出さなかったとしても、なおさらに憤りは募るかもしれない。しかし実際は白大の妹は子孫に白姓を継がせることができたし、その子孫たちは隣村から黒山村に移住してさえいる。