メモ帳用ブログ

色々な雑記。

野生動物が同種の成体同士の争いで敗者を意図的に殺すことは滅多にない。敗者は死ぬ前に逃げるし勝者は深追いしない。とどめを刺すことで勝者が確実に得られる利益よりも、わざわざとどめを刺すために消費するコストのほうが大きいようだ。
子殺しは生態に組み込まれている種も多い。成体が幼体を殺すことにかかるコストよりも、子殺しによって得られる繁殖上の利益のほうが大きいためとされている。ハーレムを形成する動物でオスが以前のオスの子を殺す例や、群れの上位のメスが下位のメスの子を殺す例などがある。
成体同士の殺し合いがしばしば起きる例外的な種も存在する。オオカミ、ライオン、ブチハイエナ、そして人類がそれに含まれる。いずれも縄張り意識が強く生態ピラミッドの上位に位置する動物だ。人類の同種殺しは黎明期で2%、中世では12%にもなった。20世紀には1.33%とかなり減少する。ただし哺乳類全体の平均である0.3%と比べれば高い方と言うこともできる。
ちなみに哺乳類の同種殺しのNo.1はミーアキャットで19.36%。群れで上位のメスが下位のメスの子を殺す。

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