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現生人類であるホモ・サピエンスの祖先は広義のホモ・エレクトスでほぼ間違いない。しかしホモ・サピエンスの祖先となった東アフリカのホモ・エレクトスは、実はホモ・エルガステル(ホモ・エルガスター)という別種だとする説もある。その場合、ホモ・エルガステルのユーラシアに進出したグループがホモ・エレクトスに進化し、東アフリカに留まったグループがやがてホモ・サピエンスに進化したとされる。現在はまだ従来どおりにホモ・エルガステルはホモ・エレクトスの変種または亜種として扱う場合が多いようだ。自分も従来どおりにホモ・エレクトスがホモ・サピエンスに進化したと考えておく。
■従来の説
ホモ・ハビリス
→ホモ・エレクトス
→ホモ・サピエンス
■新説
ホモ・ハビリス
→ホモ・エルガステル
→ホモ・エレクトス(ユーラシア進出)
→ホモ・サピエンス(アフリカに留まる)
ホモ・ハイデルベルゲンシスをホモ・エレクトスの亜種ではなく別の種と考える場合、ホモ・エレクトス(ホモ・エルガステル)がホモ・ハイデルベルゲンシスに進化しさらにホモ・サピエンスに進化したとする説と、ホモ・サピエンスの祖先(化石未発見?)とホモ・ハイデルベルゲンシスはホモ・エレクトス(ホモ・エルガステル)から分岐進化したとする説がある。
■通説
ホモ・エレクトス(ホモ・エルガステル)
→ホモ・ハイデルベルゲンシス
→ホモ・ネアンデルターレンシス(ヨーロッパ進出)
→ホモ・サピエンス(東アフリカに留まる)
■異説
ホモ・エレクトス(ホモ・エルガステル)
→化石未発見の原人
→ホモ・ハイデルベルゲンシス(ヨーロッパ進出)
→ホモ・ネアンデルターレンシス(ヨーロッパ進出)
→ホモ・サピエンス(東アフリカに留まる)
ホモ・サピエンスとホモ・ネアンデルターレンシスの遺伝子の間には別種と考えて差し支えないほどの差異がある。だが交雑がわずかながら行われていたことはほぼ間違いないため、ホモ・ネアンデルターレンシスをホモ・サピエンスの亜種(ホモ・サピエンス・ネアンデルターレンシス)とする説もある。