メモ帳用ブログ

色々な雑記。

エンタメのキャラ、特に主人公は近視眼的な社会的正義に逆らってくれなければお話にならない。進撃の巨人でいうところの『「仕方なかった」ってやつ』だけで生きているようなキャラはエンタメの主人公としての積極性に欠けている。
比較的に主人公が正義の味方よりの鬼滅の刃でさえ、主人公は鬼になった妹を生かそうとするという近視眼的には社会的正義に反する行動をしている。妹の命乞いを鬼殺隊から跳ね除けられた際、仕方がないと納得してそのまま終わってしまうようなキャラだったら物語の主人公になることはできなかった。
ただし鬼滅の刃は王道エンタメなので、主人公の近視眼的には社会的正義に反した行為が大きな目で見ればより大きな正義に繋がっていたという仕掛けがしてある。王道エンタメは大抵がこういう構図になっている。ピカレスクものもこういう構図になっているものが少なくない。だが最後の最後まで正義に反しようと、主人公が自分の信念を貫き続ける作品こそがピカレスクものの王道ともいえる。フィクションの中なら悪事を働くにしても世界や社会のせいにしたり仕方がなかったと言い訳したりせず、自分の欲望をまっすぐに叶えようとするキャラは好感が持てる。