メモ帳用ブログ

色々な雑記。

エヴァは2クールのTVアニメにしては珍しく、終盤の脚本を固めきらないまま放送開始を迎えたアニメだ。旧シリーズは劇場版2作で完結するまでの間に何度も設定変更をしている。それでも大体の設定はそれらしい整合性が取れている。

スキゾ・エヴァンゲリオン、パラノ・エヴァンゲリオン庵野秀明“欠席裁判”によると、ユダヤ教リリスやリリンに触れることになったのは途中からだそうだ。また、綾波に残虐な面があるのはもともとのアダムの遺伝子を受け継いでいるためというのが当初の設定だったことがわかる。アダムの遺伝子と碇ユイの遺伝子のデビルマン状態と言い表されている。綾波が実はリリスだというのは途中で設定を整理した結果決まったようだ。
アダムの要素は当初、綾波に受け継がれたものと、第三使徒サキエルから第十七使徒タブリスに受け継がれたものとの2つに分かれている設定だったのかもしれない。
エヴァンゲリオンエディプス・コンプレックステーマに含む作品だ。その点は庵野監督がスキゾ・エヴァンゲリオンでも、村上龍先生の愛と幻想のファシズムを引き合いに出して明言している。

父親を殺して母親を犯すというエディプス・コンプレックスの話ですけれど、僕もこれをスタートする時同じだなと思った。

ロボット──ということで置き換えることはしたけれど、オリジナルな母親はロボットで、同年代の母親として綾波レイが横にいる。実際の父親も横にいる。全体の流れをつかさどるアダムがもう1人の父としてそこにいるんです。そういう多重構造の中でのエディプス・コンプレックスなんですよ。やりたいのはそこだった。

ただ、当初は渚カヲルがアダムの魂を持つ者=もう一人の父親という点がフォーカスされる予定はなかったように思える。むしろリリスが生んだ子(使徒)の代表であるシンジと、アダムが生んだ子(使徒)の代表であるカヲルという同格で双子的な構図が予定されていたらしい。カヲルが「裏シンジ」であることはスキゾ・エヴァンゲリオン庵野秀明“欠席裁判”で言及されている。これは別の場で庵野監督が述べたことによると

シンジ君の理想の男の子の、ネガティブなところとはまったく逆の逆シンジ君として出なくてはいけなかったはずなんですよ。理想のシンジ君。相関図でいけばですね、無意識のシンジ君ってのは綾波レイで、表に出てるシンジ君が碇シンジで、理想のシンジ君っていうのが渚カヲル君になる予定だったんですけれどもね。理想の男にするはずだったのに出来上がってみたらただのおかしな奴だった、というね(笑)あれはちょっと自分の力不足です。

とのことだ。
新劇場版シリーズではカヲルが第一の使徒であり、人類の親の世代に当たる点が強調されている。ポジションも裏ゲンドウと解釈したほうが適当になった。