メモ帳用ブログ

色々な雑記。

しかしベリャーエフは直感的に、鍵はイヌの従順さにあると考えていた。彼は、白いまだら模様、巻いた尾、たれ耳、小さな頭骨など、家畜化された動物に共通する体の特徴は、人間に対して従順になった結果として現れたものという仮説を立てた。(参考記事:「犬は人が見ると「悲しげな子犬の顔」をすると判明」)
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クケコヴァ氏らは、ゲノム領域の103カ所で違いを発見した。さらに、友好的か攻撃的かという行動の変化にとっては、SorCS1と呼ばれる遺伝子がおそらく鍵であると特定した。(参考記事:「ネコは自ら家畜化した、遺伝子ほぼ不変、最新研究」)
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家畜化症候群が起きる理由
 初期胚が持つ幹細胞の小さなグループ(神経堤)は、並行して発生するこれらの行動的・身体的変化に関連している。
 耳の軟骨組織、歯の象牙質、皮膚の色素形成に関連するメラニン細胞ならびにストレスホルモンを作り出す副腎は、いずれもこれらの幹細胞に由来する。
 警戒心が弱く、攻撃性の低い動物を選択するということは、結果として副腎が小さく、不活発なものが選ばれるということだ。
 動物が従順になるのはそのためだ。そして毛皮の色や頭の大きさの変化は、発達の初期段階ではより受動的な神経堤幹細胞にまでたどることができるため、ゆえに家畜化の意図せぬ副作用と考えられる。