メモ帳用ブログ

色々な雑記。

動物農場』や『1984』の作者であるジョージ・オーウェルは、民主社会主義者だ。民主社会主義者として万人の自由と平等を追い求め、全体主義を批判した。経済の自由放任を擁護する立場からではない。

個人の自由は十九世紀と変わらずにいまだ信じられている。ただしこれは経済的な自由、つまり利益のために他人を搾取する権利とはまったく関係ない。個人の自由とは自分自身の住まいを持つ自由、余暇には好きなことする自由、上からのお仕着せではなく自分で娯楽を選ぶ自由のことだ。

1941年に執筆した『ライオンと一角獣:社会主義とイギリスの特質』では、第二次世界大戦を通じてイギリスが民主社会主義国に転換する必要があると主張した。戦後の1947年に書かれた『ヨーロッパの結束へ向けて』でも、ヨーロッパで民主社会主義が現実のものとならなければ国際社会の未来が危ういと述べている。

オーウェルはとりわけロシア(や後のソ連)の共産主義独裁がもたらす非人道性に憤っていた。左派だからといって共産主義国の欺瞞に目をつぶったりはせず、むしろそうした態度を取る左派知識人ともども厳しく非難した。
Oxford Dictionary of National Biography - Blair, Eric Arthur (pseud. George Orwell)