メモ帳用ブログ

色々な雑記。

全体主義の一見理にかなっているようで根本的に現実に反している様を表すのに、ハンナ・アーレントは論理性の暴政という語を使い、カール・ポパーは疑似合理主義という語を使い、フリードリヒ・ハイエクは設計主義的合理主義という語を使った。
ハイエクポパーは友人で、人間の知性の限界を認識した上での知性のあり方を論じるなど思想にも共通する部分は多い。ともに自由主義者でもある。しかし社会工学の捉え方には明確な違いがある。
ポパーは人間による中央集権的で大規模な社会の改良を目指す思想をユートピア社会工学と呼び批判する一方、徐々に欠点を取り除いていくことで社会を漸進的に改良するピースミール社会工学を提唱した。現代アメリカで言うリベラリズム中道左派)の立場に近い。
ハイエク古典的自由主義復権させた経済学者で、市場に対する人間の役割はあくまで庭木の自生的な生長を整える庭師の立場に留めるべきだとする。ネオリベラリズムリバタリアニズム新保守主義と親和性が高く主流派は中道右派。ただしアナキズムと重なる左派リバタリアニズムの流れもある)の先駆者の1人だとされている。ただし完全な自由放任主義ではない。