メモ帳用ブログ

色々な雑記。

第139話の鯉登平二と杉元佐一の会話からして、アシㇼパ・鯉登音之進・花沢勇作は作中で旗手のような役回りを期待されるキャラクターということでいいと思う。
ウイルクはアシㇼパを積極的に敵を殺す旗手というか旗頭にするべく育てようと思っていたが、幼い頃に生き別れになってしまったので心構えに関する教育ができなかった。アシㇼパはゲリラ戦の技術とアイヌらしく殺人を厭う心を持った少女として育つ。杉元との旅でも長い間殺人を避けてきたアシㇼパだったが、最後は杉元とともに地獄へ落ちる覚悟を固め、尾形を実質的に殺害する。
鯉登音之進は高級将校の息子として幼い頃から指揮官となるよう教育を受けてきた。ファンブックによれば鯉登は旗手を意識しているという。また、作中でも函館での戦闘では鶴見から旗手としての役回りを求められた。鯉登が目指すものは旗を掲げて味方を鼓舞しながら自分も剣を抜いてともに戦う旗手だ。
花沢勇作は父親から一風変わった旗手となることを求められた。それは自らは一切手を汚さないことで偶像となり周囲に勇気を与える旗手というものだ。旗手は確かに象徴性や偶像性を求められる役回りではあるが、父親が優作に求めた旗手像はかなり極端だ。なぜこんなことを言ったのかを作中の描写から断定するには材料が少なすぎる。ただ、あえて花沢中将に寄り添って考えてみると、軍人の息子として軍人に育て上げた勇作ながら、どう考えても殺人には向いていないので、できるだけ殺人を回避できて罪悪感を軽く済ませられるように言い訳を与えてやりたかったのかもしれない。