メモ帳用ブログ

色々な雑記。

鶴見に自分の人生と感情が弄ばれていると気付いて、「利用されて憤るほどの価値など元々ありませんから 私の人生には」と言ってしまうのが月島で、八割方混乱した状態とはいえ「そんなに必要とされていたなんて嬉しいッ」と叫んでしまうのか鯉登だ。この後鯉登は月島にお前は健康的でないとか云々言うけど、鯉登は鯉登でやっぱりそんなに健康的ではないような。でもちゃんと自分の意志で鶴見と向き合って愛に区切りを付けられたから死病というまでの病み方ではないか。月島はあのままにしていたら確実に死んでいた。

月島は鶴見に対する信頼を失いながらも他に他の道はないと思い込んで鶴見に従い続けた。自分に道はないと思い込むことで精神の破綻を回避していた。だが、任務上明らかに鯉登を見捨てるべき場面で何度も鯉登を助けてしまう。いご草ちゃんの髪を捨てた時に捨てたつもりだった私情は胸の片隅で生き延びていた。信頼しあう上司と部下としての愛情であると同時に、それだけではない極めて個人的な愛情だ。鯉登も月島が自分に何かの願いを託していることには気付いていただろう。そしてそれを受け取ったからこそ、列車の中ではありとあらゆるしがらみやあるべき定めを越えて月島に手を伸ばし、月島の命を救った。