メモ帳用ブログ

色々な雑記。

鯉登は14歳の時に鶴見に「ケンカをするなら自分の名前でやったらどうだ」と叱られ、図星をつかれて殴りかかり返り討ちにされる。わからせをされてからはしおらしくなって鶴見の言うことを聞くようになった。
だから少尉となってからの鯉登も父親を自分のケンカに付き合わせているつもりはないはずだ。鯉登は父親は父親なりの正義があって鶴見のクーデターに賛同したのだと考えていただろう。
鯉登平二の動機がわずかでも直接的に語られているのも第103話『あんこう鍋』だけだ。鯉登は月島の口を借りて、尾形が鶴見を裏切ったのは

尾形の父である元第七師団長
花沢幸次郎中将の自刃に泥を塗る行為であります
私の父ですら
花沢中将の自刃を
第七師団の責任とした『中央』へ
強い不信を持っているのに
尾形は一体どういうつもりなのか

と鶴見に伝えている。
鯉登平二は花沢自刃の責任を押し付けられた第七師団に同情し、押し付けた中央に不信を抱いたということだろう。
また間接的な描写ながら第139話『樺太へ』で鯉登平二は指揮官としての責任について語る時に自刃したと信じ込まされている親友について言及している。

花沢中将どんは切腹すっときオイへ手紙をくれもした
息子の勇作どんが最前線で戦死して
「愚かな父の面目を保ってくれた」と…

この「切腹する時に」自分へくれた手紙を読んだことが少なからず鯉登平二が鶴見のクーデターに協力することへの後押しとなったはずだ。