メモ帳用ブログ

色々な雑記。


幸村さん 「すごいと感じるところ」とほぼ同じですが、やはり「遊び」がふんだんにある部分です。顧みて、自分にはそれがないなあ……と。僕は「必要なもの」ばかり描いてしまうクセがあると自覚しております。必要とは、ストーリーの進行においてです。ハンドルに遊びがない。余裕が足りない。「ゴールデンカムイ」のような「必要はないけど面白い」部分が欠けていると思うのです。木の実を食べたり狩りをしたり、おいしいご飯を作ったりという、楽しい寄り道をもっとすべきだったな、と。読みながら、こんな風にオモシロ盛りだくさんに描けたらなあ……と思っています。

幸村誠先生が言うように、『ゴールデンカムイ』の魅力はいい意味で遊び、無駄、ロマンがあるところだ。そしてその非合理なロマンを全力で合理的に追求する。これが『ゴールデンカムイ』に独特の美学を生んでいる。それが特にわかりやすいのが入れ墨の死刑囚たちで、彼らの多くが変態ともいえる個性的なこだわりを持っており、そのこだわりを実現するために人生のすべてをかけている。囚人だけでなく、おせっかいに人生をかけている杉元もそうだし、日本繁栄と愛を嘘で試すことに人生をかけている鶴見もそうだし、群れを守ることと愛のある革命家に人生を捧げているウイルクもそうだ。