メモ帳用ブログ

色々な雑記。

菊田は自分たちと同じ穴のムジナである網走監獄の人間を皆殺しにするのと、罪のないアシㇼパの祖母1人を殺すのはわけが違うと語った。網走監獄には罪看守が数十人、囚人が600人以上いた。それでも罪悪感の重みは人数だけでは計れないというのはそうだろう。杉元も日露戦争で数十人のロシア兵を殺害したのと比べても勝るとも劣らない罪悪感を寅次に助けられて生き延びたことに対して感じている。鯉登は兄が戦死したのに落ちこぼれの自分が生きている罪悪感を幼少期からずっと感じていたが、人殺しをすることへの罪悪感を自覚できたのは随分と人殺しを重ねた後だった。人はどうしてもより愛せる人間に対する罪悪感を強く感じやすい。自分に身近な人間を愛する場合が多いけど、自分自身で罪悪感を抱き、嫌悪している部分がある場合は、そこが同じ穴のムジナと感じる相手を殺すことに対する罪悪感が和らぐ。