メモ帳用ブログ

色々な雑記。

月島が鶴見に最後までついていこうとしたのは、なんだかんだいご草ちゃんは生きていたと教えてもらえて監獄から出してもらえた=「生きていることさえわかれば真っ暗な底からは抜け出せる」(192話)ってことをしてもらえた部分が大きいと思う。鶴見の下で汚れ仕事に苦悩する日々も、あの監獄での日々にくらべればずっとマシなんだろう。
月島はいご草ちゃんは亡くなっているという嘘を一時的に信じさせられた時でさえ、鶴見を命がけで助けようとしている。それは鶴見が「戦友だから」自分を助けてくれたのだという偽りの光の方を信じて感じ入ってしまったからだ。月島はとにかくろくに真偽も確かめずに人の言葉を信じやすい。奉天で鶴見に詰め寄った時も周りの目を一切気にせず、いご草ちゃんを利用した件で鶴見を殴りつつ怒鳴っている。月島の拘束を解かせて一対一で会話するために鶴見は他の部下たちを下がらせたが、部下たちは皆鶴見と月島の会話が気になっていたはずだ。第150話のp. 6-7の見開き下部で部下たちがそこまで2人から遠ざかっていないことが確認できる。だが月島は最初に拘束された場所から動かず、周りの目も気にせず、頭に血が上ったまま鶴見に怒鳴り続けた。そうした猪突猛進型の性質は最後まで変わっていない。
月島は鶴見から死刑回避の裏工作について暴露される。この時わざわざ鶴見に「じゃあ彼女は…」と聞いているんだから、鶴見があの時に語った言葉を信じている。鶴見がいご草ちゃんの戸籍はそのままだと言っているのも、もし確認したいなら調べてみればいいってことだ。
もし月島がいご草ちゃんは自分の父親に殺されたと考えたなら、髪は大切に取っておくだろう。鶴見がフィーナとオリガの遺骨をそうしていたように。ただし月島がいご草ちゃんが殺されたと気付いた絶望のあまりにその勢いで髪を捨てたと解釈できなくもないし、以前はそうした解釈をした人もいたようだ。だがいご草ちゃんが生きていることは第276話で明示された。これで月島がいご草ちゃんが死んでいると確信していたらただの大馬鹿だ。しかもストーリー上なんの意味もない大馬鹿だ。わざわざ後付けでこんな流れにはしない。
そしてもし生死がわからないと感じたのだとしたら、なおさらに自分の手元に確かに存在する髪を捨てようとは思えないだろう。
月島はいご草ちゃんは生きていると考え、自分はその髪を持つ資格のあるような人間ではないと思い知らされたからこそ、髪を捨ててしまった。
インカラマッに月島がいご草ちゃんのことを聞こうとしたのも、ついいご草ちゃんとやり直したくなってしまったからで、いご草ちゃんの生死を疑っているわけではない。