メモ帳用ブログ

色々な雑記。

結果的に、鶴見勢力が早いうちに土方+パルチザン+杉元の連合勢力に破れたおかげで、鯉登と月島の首は繋がった。もし西南戦争竹橋事件二・二六事件のような段階まで進んでから破れていたら、幹部である2人の処刑は確実だった。
橋本欣五郎など、未着手段階のクーデター計画が露見しても厳しい処分を受けずに済んだ軍人はいる。だが蜂起まで進んでしまえば厳しい処分は免れない。例外は終戦のどさくさで起きた事件くらいだ。
鶴見はクーデター計画を立てて既に着手していたものの、まだ政府には牙を向いていない。網走の件は既に誤魔化しているし、函館での戦いも基本的には五稜郭を占拠したロシアのテロリストとの戦闘だ。花沢幸次郎暗殺の真相は、菊田にバレていないようだし尾形も報告してないはずだ。菊田の直近の報告は宇佐美が浮浪者を雇って(?)阻止した。
鶴見の行動のほとんどは中央からの密命による金塊捜索のためだと言い訳できる。少なくとも部下たちがそう聞かされていただけだと主張することは可能だろう。
問題は、金塊も権利書も入手できなかったために、中央がトカゲのしっぽ切りとしてそんな密命などなかったと言い張る可能性が高い点だ。それを覆すためには、面会の際に第一師団司令部に鶴見と同行していた月島の証言や、もしあるとしたら鶴見の握っていた何らかの物証などが必要になるだろう。月島の記憶力の良さと経験が役立ったはずだ。
中央としても金塊捜索の密命は表沙汰にできないし、海軍も鯉登少将はロシアのテロリストとの戦闘で亡くなったということにしておきたいはずだ。裏での折衝がうまく行けば、鯉登たちが表向きに受ける裁きや処分はクーデター犯に対するものではなくなる。というか表向きにはクーデター犯にならずにすんだから鯉登は中将となり第七師団長にまで出世できたのだろう。杉元たちが何の罪も問われずに生きているのも事件の真相が隠蔽されたためだと考えていいはずだ。