メモ帳用ブログ

色々な雑記。

尾形は生まれのことばかり気にしていたから「勇作だけが 俺を愛してくれた」と実は感じていたのに、その勇作を殺害してしまった。そのために自ら死を選ぶことになった。「俺は欠けた人間なんかじゃなくて 欠けた人間にふさわしい道を選んできたのでは?」とはそういう意味だと思う。幻覚の勇作の「兄様は祝福されて生まれた子供です」は尾形の誕生を肯定する言葉だけど、同時に尾形は生まれには問題がなく選んできた道の「すべてが間違いだった」ことをこれ以上なく突きつける言葉でもある。幻覚も含めて勇作の愛は常に尾形に自らの過ちを突きつけてしまう。
勇作と出会ってすぐに、今まで生まれにこだわったり逆に反発したりしてきたのは間違いで、生まれに囚われる必要はなかったんだと思えれば、尾形は生き残ったのかもしれない。でもそんな尾形は尾形じゃないな。