メモ帳用ブログ

色々な雑記。

基本的な部分の確認。
第31話『二〇三高地』で谷垣が語っていることは、中央が二〇三高地の早期攻略を急かしたにも拘わらず、それに従って命令を下した花沢幸次郎第七師団長だけが甚大な犠牲の責任を押し付けられた、花沢閣下は帰国後に自責の念から自刃した、すると中央はその責任を第七師団の部下たちに押し付けてきさえした、ということだ。甚大な犠牲は早期攻略を急かした中央のせいではなく、部下たちが無能だったせいにされた。そのため、正確な報告を上げなかった淀川中佐はそれを知る鶴見中尉に頭が上がらなくなっている。谷垣は自分たちの中央への反乱には花沢閣下の弔い合戦というか名誉回復の側面もあると考えている。鶴見にそう騙されている。その後も鶴見は二階堂に第58話で尾形は優秀な軍人の血筋で尾形も父親のために我々と一緒に戦ってくれると思っていたのに、と心にもないことを言ったり、こうしたことを語る鯉登に話を合わせたりしている。
そして鯉登に話を合わせた第103話『あんこう鍋』で読者に鶴見の嘘が暴露される。鶴見は実はわざと第七師団を冷遇させて結束を高めるために、またそれ以外の目的もあって、花沢幸次郎第七師団長を尾形に暗殺させていた。しかも、暗殺の真相を知らず自分と花沢閣下を慕ったままの部下たちはお前を軍神の遺児として担ぎ上げるだろうと尾形をおだてた。
あと第31話『二〇三高地』を読み直して気付いたけど、谷垣が白石にクーデターか?と聞かれて黙っていたのは図星だったからだな。樺太編の終わりで鶴見の下から離れようとしている時に谷垣は政権転覆の話をしている。鶴見が杉元を勧誘した時に北海道独立めいた計画を語っていた印象が強くて、谷垣も鶴見は北海道独立を計画していると信じており見当違いのことを言う白石を無視したんだと勘違いしてしまった。谷垣はこの時点でクーデターが目的だとちゃんと知っていたと考えたほうがよさそうだ。杉元勧誘の時は単に鶴見が難易度の低そうな計画を餌にしようとしただけだな。