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草太の祖父は初対面の鈴芽に開口一番


「──草太は、しくじったんだな?」と聞いた。病室からミミズが見えたが体が言うことを聞かなかったのだという。映画では看護師たちも草太の祖父について昨晩は酷かったが今朝はようやく落ち着いたという話をしている。興奮状態になり容態が悪化した、もしくは病院を抜け出そうともがいているところを発見されてしまったことがうかがえる。無事に朝を迎えているのだから東京を破滅させる災害を草太たちが食い止めたことは理解していただろう。それでも草太の協力者らしい少女だけがやってきて草太がいないことを草太の祖父は「しくじった」と表現した。いくら災害は食い止められても、自分の孫が生きて戻って来てくれなかったのなら、やはりそれは祖父からすれば失敗なのだ。そして草太の祖父は鈴芽から孫が要石となって震災を食い止めたことを聞き、自分と鈴芽を納得させるための言葉を絞り出した。鈴芽が九州の要石を抜いてしまったのは偶然(もしくは運命)で、九州の要石を捜索していただろう宗像家にとっても要石に宿る神が逃げて草太に役目を肩代わりさせてしまうことは予想外だった。だが神が祭祀を滞らせた人間に牙を剥くとなればそれは受け入れるしかない。閉じ師の変化した要石を使用できる人間に遭遇して同行していたのも不幸中の幸いだった。しかしそんな大人の理屈を鈴芽は瑞々しい感情で一蹴し、草太の祖父までが爽快な気分になれた。
鈴芽が垣間見た草太の記憶の中には鈴芽や芹澤だけでなく祖父の姿もあった。使命で互いに縛られた複雑な間柄ながらも、祖父は草太を思いやり、草太は祖父を慕っていた。
ところでアマプラとかで見れる冒頭12分でも九州の要石が廃ホテルの中庭の石畳になんの脈絡もなく刺さっているのが確認できる。小さな祠とかがあったようでもない。やっぱり九州の要石はあのホテルが廃墟になって後ろ戸が開いた後に生えてきたんだと思う。鈴芽と出会った時に草太は「このあたりに廃墟はない?」「扉を探しているんだ」と言っていた。通常業務として後ろ戸を探していることに加え、後ろ戸を見つければその近くに要石もあるかもしれないと期待していたのだろう。