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草太の祖父が


片腕を東北の災害の際にミミズとの戦いで失ったことは、新海監督がティーチインで明かしている。草太の両親がいないのも、いつなのかはともかく、おそらく閉じ師の仕事絡みだろう。ただそれらの設定を作中で明かすと、観客が草太に期待するものがミミズへの復讐になってしまいそうだ。作中の設定ではミミズとは敵である以上に畏怖し感謝すべき大地の神だ。草太もそうした価値観で生きていて、ミミズに恨みを抱いたことはないだろう。クライマックスでも神であるミミズに自分たちは生きていきたいのだという希望を伝えつつ封印されていただけるよう願いを捧げている。だけど、草太の家族を直接的に加害したというインパクトの強い設定が作中で出ていたら、どうしてもそちらに観客の印象が引きずられてしまうよな、と。鈴芽の意識に関しても、ミミズに対してはあくまで自然災害として認識し、倒すべきモンスターのようには思っていないことをうまく演出で伝えている。