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古代に巨石文化やらピラミッドみたいなのが世界中で作られるのは1つの文化が伝播した結果だという説は最近の研究だと基本的に否定されているらしい。 人類の共同体発展過程では、勢威の誇示の面から巨大モニュメントを必要とする時期が普遍的に訪れ、少なくない地域で独自に生み出されることになったと、現在の認知考古学では考えられているのだという。巨大モニュメントがやがて放棄されるのも社会システムの変化に伴い必要とされる権威の示し方が変わるため。
前に少し感想書いたことのある『辺境の怪書、歴史の驚書、ハードボイルド読書合戦』で紹介していた『列島創世記』という本では、古墳などを例にとって日本の古代でもそういう時期があったとされることを解説していた。この本は認知考古学を中心とした古代の研究について色々と書いてあって、最新や今後の研究では変わってくるところもあるんだろうけど、とても面白かった。
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