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さらざんまい第三皿（ノベライズもそこまで既読）。燕太回。ガチガチのガチ。BL要素をこれだけガチかつコメディタッチに扱って商売的には大丈夫なんだろうか？BLで勝負に出る以上、さらざんまいには幾原監督のために商売的に成功してもらいたい思いはある。だけど、ファンがそこばかり注目して勝手に気を揉んでも無意味か。

主人公一稀にとっての非日常である久慈悠・ケッピとの出会いの第一皿、非日常との交流の第二皿と来て、日常である燕太・春河に背を向けていることを確認する第三皿。基本的には話にエンジンがかかる前の今ならではのノンビリ回（愛の対象が同性であることとたて笛を除く）。幾原監督ってエキセントリックな演出の割に、何もない日常の積み重ねこそがかけがえのないもの、みたいなテーマに重きを置く場合が多い。

燕太の望みは一稀とサッカーでのゴールデンコンビに戻ること。それ以上の関係の進展は、妄想に浸りこそすれ、口に出して望んだりしなかった。はずみで思いが漏洩した後さえ、新たな段階への進展=新しいミサンガは、一稀に気が付かれもしない。たぶん現在の一稀がそれどころでないってのもあるんだろうが、一稀にとっての燕太は根本的に「お友達」なんだろう。 告白には失敗するけど、以前の一稀のミサンガ＝久慈に燕太が話した以前のゴールデンコンビの絆は、春河を通じて燕太にもう一度渡される。これを一稀に渡すことに成功すれば、復縁という燕太の望みは叶うことになるのかな。姉よりミサンガを心配してるあたりはぶっ飛んださらざんまいキャラの一員だけど、望みが進展でなく復縁に落ち着くあたりは保守的。主人公の幼馴染ポジションらしい。パンチは弱いけど、これはこれで大切なもの。ただ、関係を改めて問い直すイベントが終盤あたりに来てくれると嬉しい。結果として振られても前進になるはず。

燕太が帰国子女で周りと馴染めない時に一稀と出会って～、っていうノベライズで触れている部分はアニメだとあくまで裏設定に留めるのかな。

一稀・燕太にとって非日常である久慈にとっての日常とは犯罪と兄。一稀と幼馴染なのを燕太に聞かされて「兄弟みたいだな」（その分漏洩の時に「マジかよ…」と驚くはめに）と思うあたり友達ができるような生活をしてなかったらしい。主人公の一稀とだけでなく燕太と久慈の交流も思ったよりちゃんとやるみたいだ。「キッスは悪魔だって、兄さん言ってたぜ…」のキッスはバンドのKISSだな。

春河が車椅子なことが判明。これが一稀のサッカーをやめた理由と関係するっぽいってことは事故が原因？一稀は春河を助けられなかったとか目を離していたとかで責任を感じているのかも。だからネット上で他人になりすまさないと向き合えないとか？春河のスマホの画面にカワウソのハート。

敵の背景の判明も合わせて準備が整う。警官たちはカワウソの帝国から派遣されて欲望を集めているらしい。お約束から考えると人間の欲望がカワウソの帝国のエネルギー源？一稀たちが集めた分はカッパ王国のエネルギーに？警官に殺された人間がカパゾンビにされて、それを主人公たちが倒すと過去に遡って存在まで消滅するってのはエグい。