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色々な雑記。

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結果論からすると、2011年、メルケル前首相が自分の取り組んだ原発の稼働延長計策を凍結したために、現在のドイツは選択肢を狭められてしまった。

2002年、メルケル前首相の前任者であるシュレーダー氏は、ドイツ国内の17基の原発全てを2020年までに停止する脱原発法を制定した。

それに対し、2010年、元物理学者であるメルケル前首相は、原発の稼働年数を2030年代半ばまで延長する決定を下した。「グリーンテクノロジー原子力エネルギー廃止の穴埋めをできるほど発達していない」のがその理由だという。

だが東日本大震災が2011年3月11日に発生。福島第一原発チェルノブイリ原子力発電所事故以来の最も深刻な原子力事故が引き起こされた。この事故を受け、3月14日、メルケル前首相は原発の稼働延長を凍結する。

2022年4月現在、ドイツは年内に原発の全廃を達成する予定だ。ロシアのウクライナ侵攻を受け、ロシア産天然ガスに代わるエネルギーとして原発の稼働延長が再び検討された。しかし土壇場での稼働延長のコスト・リスクとメリットを天秤にかけた結果、稼働延長は却下されることとなった。

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福島第一原発事故までは、地球温暖化否定論者の言い分といえば、地球温暖化原発推進派による捏造、というのが定番だった。だけど事故後は脱炭素と脱原発に並行して取り組む国が増えた。最初の言い分が言いがかりだと明らかになったが、今度は脱炭素は天然ガス推進派による陰謀、という新説で言いがかりをつけているのを見かける。もちろんどんな事業にも利権は絡むもので、環境政策もその例外ではない。原子力天然ガスを過渡期のエネルギーとして認めるかという第一段階からして、各所の駆け引きがあることは間違いない。さらに再生可能エネルギーはどの種類をどれほど増やせばいいのか、その事業で起きる環境破壊にはどう対処するべきか、いまだ解決されていない問題が山積みだ。未来に向けた取り組みだけに喫緊の有事の際には後回しにするしかない分野でもある。だが地球温暖化やその対処の必要性を否定するのはただ未来をドブに捨てているだけだ。