メモ帳用ブログ

色々な雑記。

探検ものの醍醐味は困難な環境を克服する課程のワクワク感。特に世界観が現実に即している場合はそう。ファンタジー世界を超人が探検する場合だと、プレイヤー自身が操作しつつ学習するのを楽しむゲームならともかく、マンガやアニメではどれが容易に越えられる困難でどれが非常に危険な困難なのかを提示しつつそれを克服する主人公を眺めさせなくてはならない。だからよほどうまくやらないと、世界にも主人公にも克服過程にも興味が無いままに現実と無関係の説明が延々続き、ますます興味の無い他人事になるという悪循環に陥ってしまう。

HUNTER×HUNTERは第一話で生き別れの父親と再会するという読者にも納得しやすい目的を第一話で提示して、主人公のゴンを応援しやすくしている。その第一歩として父と同じハンターになるため試験に合格するという中期的な目標が示されているのも大きい。目の前の課題をクリアする意義がわかりやすくなる。

メイドインアビスダンジョン飯の場合も序盤で主人公に納得しやすい探検の理由が示されている。さらに世界観の第一印象を典型的なRPGにある程度寄せることで、ダンジョンの困難さや主人公たちのできることをイメージしやすくしている。世界観や主人公たちに読者が馴染んだあたりでさらに詳しい説明を加える。ゲーム的な世界観は拒否感が出る人も多いようだけど、取っ付きやすさのためには有効だと思う。特に世界観そのものよりキャラの行動のほうが重要なエンタメ作品の場合は。

純粋な探検とはズレるけど、マスターキートン蟲師のような探偵ものに近い形式の作品だと、主人公の動機の代わりにゲストキャラの動機が必要になる。当然エピソードごとに要求されるクオリティのハードルも高くなる。ファンタジー要素がある場合はなおさら、設定を理解する面倒くささを上回るだけの魅力が毎回のゲストキャラの物語に必要。現実世界の薀蓄なら一部のマニアには受けるかも。