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今月のゲッサンのMIX。可愛い話だった。

原田正平の帰宅と記憶がうやむやになるのはまあ予想どおり。原田のお姉さんもなんだかんだ元気そうで何より。お姉さんの娘さんと犬も可愛い。原田家の現在はぶっ飛んでいるようで意外とあるある感もあるような。ライバル校の監督である西村や主人公行きつけのラーメン屋（喫茶店）の店主である竜一と違って、原田はいまのところMIX内のみで完結した役割がないから、どうしてもタッチ時代の過去についての描写が多くなる。原田が登場するタイミングでMIXのカラーはかなり変化した。

音美の良い意味で普通に可愛いところは好きだ。ただこういうマイペースで愛嬌があるタイプのキャラって過去作だと陽あたり良好！のかすみとかスローステップの美夏とかいつも美空の美空とか、恋愛関係がふわっとしたまま終わる作品の女主人公に多い印象で、音美は最終回までにちゃんと色気づいてくれるか心配だ。投馬と音美は将来を示唆するくらいで終わるとしても、ある程度は周囲の恋愛も整理してくれると嬉しいかな。

音美と三田妹のささやかな接近。投馬にあげるための変なキーホルダーを夏野からもらって大喜びの音美。音美はそのキーホルダーを同じく変な趣味だった三田妹に誕生日プレゼントとして渡す。ヒロインの優しさが設定でなく行動で語られるのは良いもの。お相手以外の異性に優しくするのが忌避されがちな昨今のラブコメ事情的にも、同性とドラマチックに仲良くなるパートは恋愛面に変な影響が出る可能性を気にせずにのんびり楽しめる。放課後の階段の踊り場での三田妹と音美の会話は生活感と生っぽさがいい感じ。今までに描写された分も含めて、三田妹の家族に対してそこそこの不満が年相応にあるところは愛嬌あると思う。「わたしをデキのいい娘と思い込んでる両親」って言い方とか、周りからちやほやされる自分に一見自信があるようで実はおごりで釣った太鼓持ちでしかないことをわかっているところなんかも、普段が高飛車な分ちょっとしたしおらしさが引き立つ。三田妹ってお小遣いたくさんもらってるのかな。三田家って金持ち？

それにしても脇役の三田妹はともかく、主人公の投馬までH2の島の弟みたいな変なもの集めの趣味がいきなり発覚するとはなかなか驚き。でもガキっぽさは投馬には合ってるし三田妹にはギャップになるからいい塩梅。話をつくるための新要素を出すときに、変に言い訳せずにテンポよく進めてなんとかする話運びは好きだ。

音美を喜ばせるためには投馬を喜ばせればいいと気付いた赤井弟と夏野はこの夏の試合でも活躍が期待できそう？