メモ帳用ブログ

色々な雑記。

ルパン三世は女好きだけど女以上に大切なものがあるアウトローキャラの代表格。社会に縛られていないし、女にも縛られているようで縛られていない。長期シリーズで監督が沢山いるから多少キャラブレはあるけど。

吉川惣司監督のマモーで特に有名なシーンのひとつに、ルパンにとっての夢と女を巡る次元との衝突がある。そこではルパンの生き方が示されている。

次「行くな、ルパン!」
ル「俺は、夢盗まれたからな。取り返しに行かにゃあ」
次「夢ってのは、女の事か」
ル「……実際、クラシックだよ。お前ってやつは」

この時不二子は敵のマモーに連れ去られており、次元はルパンが不二子を取り戻すためにマモーと戦おうとしているのではないかと考える。男の夢=女というクラシックな発想。しかし実際にルパンが取り返そうとしているのは自らのアイデンティティだ。

カリオストロの城でも、ルパンは美少女のクラリスから慕われて結果的に心を盗んでしまうが、素敵な「おじさま」なのでまだ子供のクラリスを堅気の世界に残していく。逆に泥棒をやめてクラリスに婿入りし、財産を手にするようなことももちろんない。別れの直後こそ少し寂しそうにしたものの、また晴れやかな顔になって泥棒稼業に戻っていく。

宮崎監督は別の映画のイメージスケッチで泥棒が女の子を攫うシーンを描いた時に、その絵を見た人から泥棒は女の子にスケベなことをするのかと聞かれて激怒していたそうだ。宮崎監督としては悪党は悪党だからこそ美学が大切だし、女の子には紳士として接しなければいけないものらしい。