メモ帳用ブログ

色々な雑記。

哺乳類の中でビタミンCの合成ができないのは一部のげっ歯類とコウモリ類、ヒトを含む霊長類だけだ。これはもちろんビタミンCの合成ができないことに適応的な意味があるのではない。進化の過程でビタミンC合成に関わる遺伝子にたまたま有害な変異が起きてしまったが、もともとビタミンCを多く含む食料(新鮮な動植物)を主なエサとしていたために悪影響が表面化しなかっただけだ。
ヒトはアフリカを出発して以来様々な場所に住み、様々な生活を送るようになった。その結果、時として植物性の食料の不足とそれによるビタミンCの不足を克服する必要に迫られた。
極地に住むイヌイットは獲物の生肉を食べることで知られている。それは加熱で分解されやすいビタミン類を少しでも多く取るための生活の知恵だとされている。
大航海時代には長期間の航海でビタミンC不足による壊血病が蔓延した。無数の死者も出た。柑橘類が有効だという説は古くからあったが、共通認識となるまでには数百年を要した。
現代でも新鮮な野菜などの不足によってビタミンC欠乏症が引き起こされることがある。