メモ帳用ブログ

色々な雑記。

作品と航空機のたとえ話の続き。

作品を戦地の飛行体にたとえるなら、映画や短期の深夜アニメや漫画の読み切りは、ミサイルに近いのかもしれない。飛ばす以前の設計と準備と出来がすべてで、飛んでいる最中に迎撃される恐れは比較的低い。設計はスピードと破壊力のために研ぎ澄まされる。被弾を防ぐための装甲は必要ない。

それに比べると長期アニメや長期連載はやっぱり航空機に例えるのが適当だと思う。もちろん航空機もミサイルと同じく、飛び立って目的地まで飛行を続けられる設計や準備ができていることは前提として必須だ。だけどそれだけでなく、飛行中に被弾したり故障したりするリスクも考慮して、リスクを吸収できる構造になっている必要がある。傷ができたときの対応でも考えないといけない部分は多く、飛ばすまででほぼすべてが決まるミサイルとはやはりノウハウが違う。傷ができたときに手早く修理できるか、修理しようとしてかえって傷を広げたり悪目立ちさせないか、修理に気を取られて他の部分がおろそかにはならないか、致命的な部分でないならあえてそのままにするべきか、飛行の継続は可能としても墜落する前に着陸できるのか。

このたとえでいうと、映画などを見る楽しみはミサイルの爆発の見事さを眺める楽しみに近く、連載作品についていく楽しみは被弾しながら飛んでいく航空機にドキドキしながら搭乗する楽しみに近いのかもしれない。連載作品についていくと良くない意味でヒヤリとしたりハラハラする場面もあるものだけど、個人的にはそれも醍醐味というか。当初の目的地とは違うところに着地するかもしれないけどむしろより良い結果が出るかも知れないし、不時着を余儀なくされた場合でもそう悪くない場所にたどり着けたら万々歳。ただし自分はオタクだしこういうひねた読み方をするけど、当初の目的地に乗り切れるのがわかりきった程度のパプニングを経て着陸できる楽しさが万人受けする王道の楽しさだろう。王道の場合、邪道なハラハラ感の刺激がない分、目的地の魅力と過程の快適さや退屈させないさがより大切。魅力のない目的地へ無味乾燥に危なげなく着陸するだけだとただの作業になってしまう。そうなると他の人にはどうだろうと自分は目的地や航路が好きだというマニアや、作業や航空機自体が好きだというマニアしか楽しめなくなるので、別の意味でマニア向けになる。