メモ帳用ブログ

色々な雑記。

阿Q正伝の偽毛唐という悪口が突き刺さる日本人は多いと思うね(自白)。悪い意味で海外かぶれでそれをひけらかす。
でもアンデルセンの人魚姫は、魚には魂がないとするキリスト教的な思想を背景としているとか、そういう違う文化の背景を知ることで改めて見えてくるものは多い。だからいつだって問題になるのは知識じゃなくてマナーの方だ。ちなみにキリスト教圏の人魚伝説は人魚と漁師が知り合って、魚には魂がないという教えに疑問を持ったりもするけどそのへん投げっぱなしでメインストーリーが進む、みたいなのが多くて面白い。キリスト教は一元論的なので、完全なる天や光があり、そこからはみ出した存在が堕天使や魔物などの不完全なものであるみたいな価値観になる。ただし民間伝承では、魔物を単なる不完全なものでなく、独自の価値があるものとして扱う思想が生き残っている部分がある。
人魚姫に限らずアンデルセンの書いた童話に関しては水上勉先生が『あひるの子 アンデルセン幻想』というエッセイを書き下ろしていてそれも面白い。