科学と疑似科学と宗教はすべて抽象的思考を基にしてる。それぞれに典型例はあるけど、どちらに区分けされるべきか曖昧な問題も存在する。疫学や工学でさえ実用のための技術という側面があって、純粋な科学からはズレる部分がある。
明治時代の日本軍では、陸軍・海軍ともに脚気による死亡者が多かった。海軍は脚気の原因を栄養不足とする説を取り、洋食(主食のパンは不評だったため後に麦飯や胚芽米に変更)を導入する。当時は真の不足栄養素であるビタミンB1が未発見であり、タンパク質不足という仮説が立てられていた。仮説は誤っていたが洋食によって脚気患者は劇的に減少する。洋食が脚気予防に効果があることが疫学的に裏付けられた。一方の陸軍では伝染病説とドイツ仕込みの「科学的な医学」に固執し、洋食の導入が遅れた。日露戦争では入院脚気患者のうち、27468人が死亡した。