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色々な雑記。

リイクニの売春疑惑については あの 岡田斗司夫さんが最近の本でも、そんなつもりで制作していなかったと書いているので、本当にそんなつもりはなかったんだろう。ただ今の岡田さんは大勢に誤解される表現ならそれは解釈の1つとして成立するという立場だそうだ。

売春疑惑が生まれたのは、リイクニを訪ねてきていた主人公・シロツグが仕事から帰ってきたリイクニの靴にお金が隠されているのを見る→元々落ち込んでいたシロツグがさらに落ち込む→リイクニが着替えをしているのに気付いたシロツグが強引に迫って殴られる、という流れがあるからだろう。誤解すると、リイクニが靴にお金を隠しているのは後ろ暗くてまずい商売、つまり売春をしているから→リイクニが売春をしてるのに気付いたシロツグは落ち込んだ→シロツグが強引に迫ったのはリイクニが売春婦だから、と解釈できてしまう。
おそらくリイクニが靴にお金を隠した本当の理由はカツアゲで金を巻き上げられないようにするためだろう。それほどシロツグたちが暮らす国は治安に問題を抱えていたし、リイクニは治安の悪い地域で働かなければいけないほど困窮していた。
シロツグが宇宙飛行士を目指した最初の動機はリイクニの気を引くためだったが、徐々に本気で取り組むようになっていった。それだけに宇宙開発の影の面にも悩みを深めていた。結局は軍事利用されるというのは勿論、宇宙開発には莫大な費用がかかり弱者の福祉がなおざりにされているのではないかというのもその1つだった。リイクニは宇宙飛行士を素晴らしい仕事だと褒めてくれたが、実際のところ理想のようにおきれいな仕事ではなかった。シロツグは自分が急にくだらない存在に思えてきてしまい、さらにリイクニが宇宙開発によって取りこぼされてきた弱者であることに直面さぜるをえなくなる。自分のあるべき姿を見失ったシロツグはふとした拍子に情欲を爆発させてしまい、それを押し留める理由もなくしかけてしまう。こういう流れなんだと思う。
この場面のシロツグはアホそのものなんだけど、少し哀れなのはリイクニの方には全く脈がなさそうなところ。リイクニはこの件を事故の一種と認識したらしく、その後も態度を特に変えるようなことはなかった。取り繕ったとかではなく本当にプライベートな感情が湧いていないようだった。もしリイクニもシロツグに好意を持っていたら、この後気まずくなったり、逆に本気で怒ったりしただろう。気になる人未満にはなりかけていたところをただの知人に格下げされてしまったのかも。