メモ帳用ブログ

色々な雑記。

一気読みで一人称視点

煙か土か食い物』も『暗闇の中で子供』も面白いけど序盤静かに中盤ハイテンポ終盤は大きく想像の余地を残すみたいなのは一気読みができる小説ならではの構成だな。一人称視点で語り手に没入するから成り立ってる語り手のメンヘラ・ナルシシスト具合も小説というメディアを活かしきってる。客観的に主人公を見るメディアで良さが出せる内容じゃない。これだけ通俗娯楽よりの文体とガジェットなのに舞城王太郎先生がノミネートされる賞は基本的に純文学よりっていうのがよくわかる。
なんとくなくだけど舞城王太郎先生は脚本家としては自分で主観客観のバランスを取るタイプではなさそうだから、イドは周りのスタッフとの相性もあって調整がうまくいったんだろうな。イドもとっつきにくさはあるけど完全に媒体を間違ったようなのじゃなくて映像作品としてのとっつきにくさの枠に収まってる。