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色々な雑記。

吉良=キラー

ジョジョ荒木飛呂彦先生は梶原一騎先生のファンだ。好きだと名を挙げたことのある作品は、あしたのジョー巨人の星柔道一直線など。初期の荒木漫画は梶原漫画の影響を特に強く感じる。キレのあるセリフ回しや親子のドラマを重視する部分、トンデモ気味なハッタリのうまさなどは梶原的だ。
梶原一騎原作の漫画の1つに『ケンカの聖書』がある。それなりに面白いけど終わり方は打ち切りのようでやや消化不良だし、数多い梶原漫画の中でも知名度の低い作品だ。でもジョジョファンからすると主人公の名前が吉良旭(きら・あきら)であだ名がダブル殺し屋のキラー・キラーだというのが興味深い。ジョジョの奇妙な冒険第四部のラスボスの名前は吉良吉影だ。吉良=キラーの言葉遊びをしたのはこの作品が初めてではないだろうけど、荒木先生のインスピレーションの元になった可能性がある。主人公が手段を選ばないケンカ屋なところもジョジョに通じるものがあると言えなくもない。
梶原漫画には侍ジャイアンツの主人公の番場蛮(ばんば・ばん)など、他にも姓と名前の韻がそろっているキャラがいる。言葉遊びでキャラの名前を印象付けるのは定番の手法だけど、ジョジョシリーズも姓と名前の韻を揃える点は踏襲している。
ケンカの聖書はいくつかの配信サイトて無料で読める。

ケンカの聖書はあだち充ファンから見ても興味深い。連載は1971年の週刊少年サンデー。作画は石井いさみ先生で、その時にあだち充先生がアシスタントを務めていた。目の真ん丸な、若いあだち先生の投稿作であるなかよしの詩のようなモブキャラは、あだち先生が作画したかもしれない。