メモ帳用ブログ

色々な雑記。

トナカイはシカ科で唯一家畜になった動物らしい。

もののけ姫』の舞台は日本だけどヤックルは完全に創作上の動物だ。ストレートにモデルになった種もいないイマジネーションの存在だ。「今日では絶滅した、アカシシと呼ばれるオオカモシカ」という設定だそうで、当然アカシシもオオカモシカも実在しない。カモシカはウシ科の動物だ。角が枝分かれしていない点からしても、ヤックルはシカ科の動物でなくウシ科のレイヨウの類だろう。

しかしヤックルのさり気ない仕草の一つ一つを見ているうちにヤックルが実在しないことが信じられなくなってくる。

またエミシと呼ばれる集団(アイヌ民族の先祖も含むがアイヌ民族とイコールではない)は存在するが、作中に登場するエミシ一族の文化はごくわずかに残る史料を宮崎監督が大きく膨らませたものだ。照葉樹林文化論(ブータン・中国雲南省・台湾・日本などはかつて同じ文化圏に属していたという仮説)に基づいてブータンの文化も組み込んでいる。

 

『鹿の王』の舞台はファンタジー世界だが、ピュイカ(飛鹿)のモデルは明確にトナカイ(馴鹿)だ。主人公・ヴァンの民族のモデルも実在するトナカイ遊牧民族のようだ。小説には実在の民族を綿密に調べたことのわかる細やかな描写が多い。その上にファンタジー独自の設定をプラスしている。

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映画『鹿の王 ユナと約束の旅』公式サイト

 

リアリティの出し方は作家や作品によって異なる。