イドの感想で間違ったことを書いたから修正したけど、若干核心のネタバレ度が上がってしまったかも。ミステリーものの紹介はもっと慎重にやるべきだった。せっかくだから墓掘りのエピソードについてちゃんと考えて書いた。そこもまた修正してみた。
- 井波は昔は人が死ぬところを見るのは嫌いな少女だったが、母親が飛び込み自殺をした電車に乗り合わせたことで変わってしまった。むしろ人の死や傷を喜ぶようになった。
- 本堂町が可愛いと気に入り、怪我を見て内心嬉しがる。
- 数田とは両片思い。数田は自分の思いを自覚しているが、井波は薄々自覚しながらもあえて目をそらしている。井波は一連の殺人の主犯でもあり意思疎通が全くないわけではない。数田の死の直後にそんな自分は子供みたいだったと自嘲する。
- 後に穴のおかげで数田と最後(数田の殺人期間中)は通じあえていたかもと言う。
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- 井波も数田とは違うかたちで愛情と加虐の衝動が混乱していた?数田に殺人を犯させたのは単純に死を見て楽しむだけでなく、殺人犯にするという加虐で数田への愛情を無意識に発露してもいた?
- 母の死後の直後に愛情と加虐の衝動が混乱したのなら、先におかしくなったのは井波。その後数田の頭に穴が空いて同じく衝動が逆になったから通じ会えた?
以下補足
- 数田が死なせた人間がもし井波のリクエストに基づくのなら井波が気に入った相手?
- 井波の目の前で数田が本堂町に殺された瞬間、井波は数田を殺した本堂町に殺意を向けたのではなく、本堂町にキスしてしまった数田に殺意を向けた。その殺意が収まった後で、井波は数田への愛とその死をまっとうに悲しめる自分に気がついた。
- 殺意の世界である井戸の中のカエルちゃんは、殺人者が殺意を向けた相手の象徴。井波の井戸である円環の電車にいるカエルちゃんは数田の象徴。このカエルちゃんは自分が死んだのは一見井波のせいのようだが、本当は自分は自分のせいで死んだと伝えたかった。あるいは数田はそう伝えたかったと井波は思いたかった。
- 井波は円環の電車に乗り続けていれば母親の自殺を知らずに済む。数田との両思いにも気がつかないふりをしながら通じあえる。だからずっとこのままでいたかった。
→第10話の鳴瓢の心情の前振り
それにしても第6話の「CIRCLED」ってタイトルと直接的に指す存在である円環の電車・排他・密室というモチーフの重ね方はよくできている。
広義の密室(クローズド・サークル)、それと対比される開放の象徴としての穴、どちらにもなりうる井戸という構造なのかな。