メモ帳用ブログ

色々な雑記。

ゴールデンカムイでアレッと思う瞬間が多いのって、作風が根本的に後ろ向きなのを思い知ったり再確認する時だと思う。ゴールデンカムイは弱肉強食なこの世界でいかにもがき、理想を守り、爪痕を残すか、みたいなところがテーマなんだけど、弱肉強食を覆すことはできないという諦念が作品全体に満ちている。ノリは根明に見えて本質的に薄暗い。この世に正義は個人が信じられる範囲にしか存在しない。人間は自らの道理を世界に突きつけるために殺人を犯さざるを得ない瞬間はあるけど、それまでに殺人を最小限に抑えようとした努力は無駄にはならない、みたいな言い方をすれば多量は前向きに装えるかも?失ったものをどう悼むか、どう語り継ぐかという部分も繰り返し描かれ、あくまで滅びが避けられない中での前向きさという色彩が強い。表面上のノリだと滅びそのものを回避しようぜ!みたいな前向きな作品に見えて、そんなことはない。